アイドルマスター、愛の差が生む別離

 アーケード版のときのボツキャラクタが復活して2人追加と言うのはいいとして、この場合問題なのは、Xbox360版で追加された星井美希がライバル事務所に移籍したという設定だよ。


 あのエスピー世界では、星井美希765プロで良いプロデューサーに出会うことができなかったと言うことになる。もしくは、プロデューサーと共に移籍したか。
 どちらにしても、恐ろしいことだよな。360版で星井美希のファンとなったプレイヤーにしてみれば、前者は自分の存在が全否定された世界と言うことになってしまう。もしちゃんとプロデューサーと出会っていれば、移籍などするはずの無いキャラクタなのだから。
 後者の場合も、星井美希も他のキャラクタも好きだったプレイヤー(ユニットでプロデュースしていたプロデューサー)からすると、自分が美希以外を捨ててしまった世界と言うことになってしまう。他のキャラクタは765プロにいるままなのだから。いや765プロ時代もソロで活動していたのだと仮定しても、ライバル事務所に移籍したという結果から見て、果たして在籍中に他のアイドルとどういう人間関係だったのかと考えると、あまり良い具合の妄想は浮かばない。


 どうなんだろねー。ゲーム中でこれがどう展開するか、結局ライバルの3人も765プロに入ってプロデュースできると言う流れになるのか、あくまでプロデュース不可のライバルとしてしか登場しないのか、プレイヤーがライバル事務所のプロデューサーとなるシナリオがあるのか、現時点では(俺ちゃんと情報追ってるわけじゃないので詳しくは知らないけど、多分)分かってない。ナムコの、少なくとも『アイドルマスター』スタッフなら、そうそうファンを裏切ると言うのはなさそうだなと、多分安心も納得も出来る展開がちゃんと用意されているんだろうと、今のアイドルマスターファンの幸せそうな顔を見ていると俺は思う、というか信じておきたいのだけど、でもさぁ。なぁ。
 なんつーか、結局は「コンシューマ移植にあたって、後から加入したキャラクタだものね」的な線引きが、ナムコ自身にあったのかなっていうのが、はたから見ていると、切なくて悲しい。見てはいけないものを見てしまったというか。彼女たちは決して等しく愛を受けてたわけじゃないんだ、って言う。んー。いやアーケード版からのプレイヤーがそう思うのは分かるし、スタッフにしても、付き合ってきた長さが違えば思い入れにも差があって当然かもしれん。でもなー。うぅむ。


 「出せば売れるからと言うただの移植版ではなく、PSP版もしっかり注力してると言うナムコの意思表示だ!」みたいに言っているのをネットで見たし、実際そうではあろうけど、これじゃXbox360版と世界が繋がらないじゃん。どうなんだ。アーケード版とXbox360版も別に繋がっては無く、パラレルという位置にあるわけだから、それと同じっちゃ同じだけどさ。ゼノグラシアで話も世界もキャラクタもことごとく別物にされてゲームのファンのほとんどが嫌がったのを思うと、程度の差はまったく別次元だけども、でもだからこそ、ここでこう来るのは、ちょっと危ないというか、「おいおい何考えてるんだよナムコ」と少し心配になるよね。美希のプロデューサー(ゲーム内外の両方の意味で)を、どういう立場に置くつもりなのか。「気に入らないならなかったことにしてね」なんて簡単には割り切れないよね。


 て言うのは、俺の考えすぎなのかなー。俺アイドルマスターを実際に自分でプレイしたことは無いので、あまりはっきりプレイヤーの心情を掴んでないのかも。同じ事務所同士でもライバル関係と言うことではあろうし、オンラインでのオーディションは正にそういう構図で行われるのだから、事務所の名前がちょっと変わるくらいで大騒ぎすることではないという考えが大勢なのかもしれない。が。がー。んー。俺がファンだったら不満と言うか不快というか、あまり受け入れたくない展開・設定だなぁ。


  ところで、なんでアイドルマスターファンでも星井美希ファンでも無い俺が、こんなやきもきしているの? どういうこと?