ニコニコゲーマー市場

 11月10日のニコニコ市場のゲームカテゴリランキングで、『真・三國無双5』がトップ2を飾っていた。1位がXbox360版で62人購入、2位がプレイステーション3版で27人購入。念のため言っておくと、ニコニコ動画を見ない人にはXbox360版がPS3版を上回っていることに驚くかもしれないけど、あそこはプレイ動画によってソフトの充実振りが良くアピールできるからかXbox360が強いところで、本体の値下げが実施され大量の廉価版ソフトと『エースコンバット6』が発売された11月1日のゲームランキングではトップ30の商品のうち25個がXbox360関連商品で占められたくらい(内訳は、本体が2つ、ソフトが12本、コントローラやポイントカードなど周辺機器類が11)。なので、今回の2つの『真・三國無双5』について言えば、ニコニコ的にはむしろPS3版の頑張りが「かなりすごい」と言える。
 もひとつちなみに、『Treasure Box』はPS3版が9位で3人、Xbox360版が19位で2人(1人の違いで順位がだいぶ離れているのは、購入者数が同じ場合にはクリック数でランキングの上下が決定されるため。購入者数だけで見れば、Xbox360版は12位に相当する)。PS3本体とのソフト同梱版はランキングトップ30には入っていないので、購入者は1人か0人ということになる。


 で、見ていて面白いなと思ったのが、購入者ではなく累計クリック数の方。こちらはXbox360版が1,365人に対し、PS3版が1,401人と上回っている。購入者ではXbox360版がPS3版の倍以上なのに、クリック数ではPS3版が上となる。しかも、このクリック数の方は昨日分ではなくリアルタイムで集計されているらしく、少し間をおくと数字が増えているのだが、今現在のその増え方はXbox360版よりPS3版のが大きい。
 もうひとつ興味深いと思ったのが、本体のランク。PS3本体は、5位にブルーレイビデオ『スパイダーマン3』付きの40GBセラミック・ホワイトが購入者6人、10位に同じく『スパイダーマン3』付き40GBクリアブラックが購入者3人となっている。値下げもあろうが、『真・三國無双5』と一緒に買った人もいたろう。内訳は分からない。が、一方で、Xbox360本体は1つもランクインしていない。つまり、11月10日の購入者は1人もしくは0人。こちらは「『真・三國無双5』狙いで買う人はいなかった」とはっきり言ってしまえる状況になっている。11月1日のランキングで、Xbox360HDMI付きバリューパック本体が132人購入で3位に入っていたのとは大違い。まぁ、『真・三國無双5』とプレイステーション3本体の値下げ版の発売日は今日なので、ちゃんとした比較は明日発表される11日のランキングとしなきゃいけないわけなのだけども。
 あともうひとつ興味深いのは、ニコニコ動画ではWiiはあまり強くない感じなのだけども(この辺の強弱はタグのランクを見て言っているのだけど、まぁただあれは、タグのランクアップ自体を目的にタグを増やしてランクアップもできてしまうので、ネタ8割くらいの感じで聞いていただければ。以前はWiiどころかドリームキャスト以下だったのに、E3 2007が開催された頃を境にえらい猛烈な速さでランクアップしていったゲーム機もありましたからねー。デザイン変更でカテゴリごとのタグ一覧を見せなくなったのは、あの一覧での表記順にこだわられすぎてもちょっと困るみたいな運営の意思もあるんじゃなかろうかと思っているんだけども、さすがに穿ちすぎか)、『マリオギャラクシー』は売れてるんだよな。他のWii用ソフトも、のみならずWii本体もそれほどってものじゃないのに、『マリオギャラクシー』は結構な数字が出てる。あれはなんなんだろう。そんなにニコニコ動画と相性のよいゲームなのか。まー、Wiiも以前よりだいぶ上の方に来ているみたいだけども。


 ついでにもう一つ、やっぱすげーなぁと思ったのが、予約ランキングでの『アイドルマスター ライブ・フォー・ユー!』の限定版と通常版。限定版が前日予約数166人・累計クリック数1,009人に対して、通常版が前日予約数9人・累計クリック数255人。まだ予約が始まったばかりで発売予定は3ヶ月も先だけど、圧倒的な差をつけて限定版大勝利。そりゃ、アニメDVD付きでも1万は切ってるとなればファンがそっち買おうとするのは分かるけども、ああまで露骨にみんな通常版に興味示さないってのは。実際、ニコニコ動画以外のウェブでのファンの反応でも、まぁ俺が見てるのはあくまでXbox360ユーザーのサイトであって、たまたまそこで『アイドルマスターの』の話題も在るってくらいだから数は多くないけども、それでも値段について高い安いなんて一切言及もしないで「即予約」なのがほとんどだった。『アイドルマスター』がどれだけ濃いユーザー「だけ」にガッチリギッチリ支えられているタイトルなのがよく分かる。
 ……しかしそれにしたってな。特典のアニメだって、発売当日か前日には早々にニコニコ動画にアップされるであろうことは誰にでも分かるわけだけども、それでも現物のDVDを持っていたいとファンは思うんだよな。一方じゃあ、タダで見放題の環境に慣れて今やそれが当然だと思ってる奴らもいるというのに。それどころか、そう言う奴らに見せるために、金払ってソフト買った人がせっせとMAD作ってたりするわけだ。みんな一緒に盛り上がりたいと願って。なんだかものすごい状況よな。一次コンテンツ作ってるメーカーの人らは、どういう思いでそんな光景を見るのだろう。そんなこと考えてると、定価9,800円なんてまだまだ安すぎるような気もしてくるなぁ。


 つーか、ここまで書いておいてなんだけど、ニコニコ市場のランキングって、どこまでデータ信用していいのやらな。買わずに数字だけ増やす方法があるなんて話を前に聞いたことあるし、予約ランキングに発売済みの商品がいくつもあったり、集計方法がイマイチよく分からん。話のネタにするにはなかなか面白いんだけどもさ。