金の切れ目が縁の切れ目

 今では普通の光景になりすぎたけど、まだニンテンドーDSWiiの好調さに珍しさや驚嘆がもあったころ、よく「ソフトメーカーは一時的なブームのDSの手抜きゲーで稼いだ金で、PSPで本当のゲームをを充実させるんだ」とか「前略Wiiの手抜きゲーで稼いだ金でPS3の以下略」とか苦し紛れに言う人が匿名掲示板なんかによくいたけども、でも結局のところ、あれだけ本体の普及しているDSやWiiですらそこまで稼げてるソフトメーカーがまずもってほとんどないという、とっても愉快な状態になってしまったわけだけども、それでもどこかしらから稼がなきゃいけないわけで、そんな中、ナムコがターゲットにしたのがXbox360。『アイドルマスター』のコンテンツダウンロードは言うに及ばず、『ビューティフル塊魂』、『スマッシュコート3』、さらに『エースコンバット』の新作まで投入するというのだから、いくらXbox360での開発資産ならいずれプレイステーション3での完全版展開などに流用できるとは言え、よっぽど後が無いんだなとか思ったりもするわけですが、今日知った話によると、『アイドルマスター』のファンディスク『ライブ・フォー・ユー!』は、通常版が定価7,140円しなさるらしいっすな。アニメDVDが付いた限定版は9,800円だそうで。しかも初回限定で新曲ダウンロードカードがあるのでファンは「待つ」わけにもいかないらしく。
 いやー、すげーな。ファンディスクで7,140円とは。モーションとか曲とか衣装とか新しいのがあるんだろうけども、でも本編ディスクと同じ値段ってなぁ。こうもダイレクトに「絞れるだけ搾り取る!」って姿勢が見えるのもすごい。怖い。そして、面白い。まぁ面白がれるのは俺がファンではないただの野次馬だからなんだけども。


 しかし、ナムコはなー。『アイドルマスター』のコンテンツダウンロード自体は感心したもんだけど、その成功をつかんでからは、「同じやり方で稼げるだけ稼いでやるぜグヘッヘッヘッヘ」って姿勢を隠そうともしなくなっちまって……。『ビューティフル塊魂』も『エースコンバット6』も、ソフト発売直後からダウンロードでのデータ切売り販売しちゃってて、もう溜息しか出ないわ。コンテンツダウンロード自体は悪いこととは思わないけど、なんかねぇ。本来ならゲームディスク内に収めてある部分までも削ってダウンロード販売の方に回して稼ごうとしてるんじゃないのって気がする。気がするっていうか、そう思うなって方が無理だよもう。そういう目に見えない部分の「信頼」ってのを、もうちょっと大事にしてくれるとねぇ。「買ってくれるファン以外の奴が何と吼えてようと知らねーよ」ってのも、まぁ商売だから必ずしも間違っては無いんだろうけど。テイルズシリーズの濫発が以前ほどじゃなくなってたから、そういうとこナムコも考え直したのかなと思ってたんだけど、違うんだな。本命だと思ってたプレイステーション3が不調で新展開に悩んでいたところに別の金蔓を見つけたから、一時的にそっちに乗り換えただけか。


 これで、アマゾンの価格情報が間違ってて本当はもっと安かったりするなんてオチはまさか今さら無かろうね。