ゲーム機を買う理由

 下位機種の値下げが発表されて形勢逆転の勢いを見せる(少なくとも自分にはそう見えますね、既に)プレイステーション3ですが、じゃあ自分で買うのかと言う話になると、実のところ今までと変わらず「当分は買わないな」というまま。買う気になったときに手が届きやすくなったという点では非常に嬉しいけども、買う気になるのがいつになりそうかというと、まだまだ不透明。ま、その辺も今回のゲームショウでサプライズとしてソニーは用意してくれてるかもしれないな、と期待しちゃったりして。
 焦点としてはやっぱり「PS3でしか遊べないソフトのうち、これは是非やりたいと思えるものがどれだけあるか」ということになるのだけども、E3終わった後の6月に書いたとおり、今出てきている中で「これのためならお金出してもいいかも」と思えるのはコナミの『CODED ARMS ASSAULT』とUbisoftの『Assassin's Creed』だけで、しかも『Assassin's Creed』の方はXbox360でも出ることが決まっちゃって外すことになるから、つまりもう期待しうるタイトルが1本しかないのよな。さすがに1本のためだけに新しくゲーム機を買うってのは、それが5万円だろが4万円だろうが3万円だろうが、ちょっとキツイ。

 そんなことを考えていたら、そういえば今まで自分はどういう理由でゲーム機を買っていたっけなぁということを思ったので、ざっと書いてみようと思う。完全無欠に自分語りな記事になるけど、ま、いつものことか。

ファミリーコンピュータ

 我が家に来た最初のゲーム機がこれですね。小学一年生のクリスマスに、サンタさんからのプレゼントと言う形で両親から貰いました。つまり自分で買ったのではなく、さらに言えば「ファミコンが欲しい」と両親にねだった覚えもないので本当ならこれはノーカウントなわけですが、自分がゲーム機に出会った一番最初の体験と言うことで書いてみました。

セガサターン

 一気に飛びました。実はスーパーファミコンには友達の家でしか触れたことがないんです。ファミコンばっかやってたもので、我が家はゲーム禁止になってしまった。ファミコンも隠されて悲しい想いもしましたけど、ま、そこは単純な小学校低学年。2〜3日もするとコロッと忘れて、友達と楽しく外を駆け回って遊んでおりました。自分にもごく普通の人間だった時期があったのだなぁ、としみじみ思います。
 そんな自分が何故サターンを買ったのか。これは中学生になってからですね。長らくテレビゲームという遊びから離れて、完全に興味を失っていた自分に、わざわざお年玉を崩してまでゲーム機を買わせることになった理由。それは『サクラ大戦』でした。ライトノベルと声優のラジオを入り口にして既にアニメオタクになっていた当時の自分。たしか『機動戦艦ナデシコ』の放送枠でのテレビCMだったか、『サクラ大戦』が流れたんですよ。ええ。もう、一目見て「このゲームやりたい!」と思った。ライトノベル読みにとっては「あかほりさとる」はそこそこいい名前だったし(当時既に微妙な位置の人にはなってたけども、でもまだまだ勢いがあった)、またこの少し前に『ああっ女神さまっ』を読み始めていた自分には、藤島康介の名前には何よりひきつけられるものがあった。これを買わずしてどうするのか。
 その1本のためだけにサターンは買ったんだったかなぁ。一応本体を買う前にゲーム雑誌をあれこれ買い込んで読んだりしたんで、『サクラ大戦』以外にもいいのないか探したりはしたと思うけど、具体的に「これで遊ぶために」って決めていたのは『サクラ大戦』だけだったような。「いずれなんか他にもやりたくなるのが出てくるっしょ。きっと」っていう。まぁ、自分の人生の中でオタクとして最も行動力のあった時期なので、今となって思えば無謀にもほどがあるけど、それくらいはしてたかもね。近場では新宿のシネマミラノでしか公開してなかった劇場版の『天地無用! in LOVE』を6回くらい見に行ってた頃ですよ。ほとんど毎週のように、電車で片道1時間近くかけて。思い出すだけで「これって本当に自分の記憶なのか?」と首を傾げてしまうくらい、今の行動力のなさとのギャップがすごい。

プレイステーション

 セガサターンを買ったときは、こんな信者論争的なものがある世界なのだとは知りもしなかった。プレイステーションってゲーム機も他社から出てるのは知っていたけど、『サクラ大戦』がやりたかった自分にとってはサターン以外は眼中になかったので。でもまー、クラスメイトから「おいおいサターンってギャルゲーハードだろ。プレステ買えよ」とか言われたりしているうちに段々とプレイステーションソニーも嫌いになって言ったわけでして。
 そんな自分が何でプレイステーションを買ったかといえば、「サターンに未来はない」と思ったから。なんでそう思ったかって言うと、これは『To Heart』のPS移植決定。最初にサターンを買ったときはその後どんなソフトを買おうか一切決まっていなかったのだけども、ギャルゲー・エロゲー好きのクラスメイト(前に出て来たのとは当然まったく別の人ね)と仲良くなり、彼に感化されてその道に入ってしまった。ギャルゲーばっかやるようになり、そしてまたエロゲーのことも知るようになって、『To Heart』ってPCのエロゲーがものすごい人気になっているということを知った。ぶっちゃけ『パソコンパラダイス』とかのエロゲー雑誌も買うようになってたから(今でも出てるのかな?)。それで、自分は「じゃあこれもいつかはサターンに移植されるんだろうな」と思っていたわけですよ。当時のサターンではエロゲーの移植作品が沢山出てましたからね。陵辱などの要素はなさそうだったから大人気ソフトとなればコンシューマに移植されると見て間違いはないだろうし、と。いつか遊べるようになるのが楽しみだなだな、と。ところが。『To Heart』はPSに移植に決まってしまった。そのとき、「ああ、もうサターンはエロゲーの移植先としての存在意義も失ってしまったのか」と思って、そこでサターンはぷつんと切れた。自分の中ではね。数年後には中古ソフトでサターン回帰もするんだけど。
 実際には、そこからプレイステーションを買うまでには半年くらいあいてたかな。最初は「もうテレビゲームやらなくていいかな」とも思って、実際それで数ヶ月は何も問題なかったんだけど、友達が学校に持って来ていたファミ通でも読んだのだったか、ああまたゲームやりたいなって思って。それで、確か、そう『エクソダスギルティー』。サターンで大ハマりした『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』(自分は今でも、これこそが最高のテキストアドベンチャーゲームだと思ってる)と同じクリエイターが作っているソフトがPSで出ると聞いて、よしじゃあ買うか、と。結局『エクソダスギルティー』は買わなかったんだけどもね。でも、サターンよりプレイステーションの方がソフトがいろいろ出ているってのは知っていたから、それほど迷わずにぽんと買った気がする。

ドリームキャスト

 『ソウルキャリバー』狙い、ってのは覚えてる。『ソニック・アドベンチャー』なんかも買おうかと思ってたけど、結局買わなかったかな。プレイステーションからの流れで徐々にギャルゲーをやらなくなってきてたのだけども、にもかかわらず随分とギャルゲーを買ったりして、このあたりから「ゲームを遊ぶ」ことと「ソフトを買う」ことが乖離して、ねじれてきてた気がする。自分の中にある「自分が遊ぶゲームのイメージ(ようは「自分はギャルゲーが好きなんだ」という意識)」を昇華し損なってしまって、今の自分が一体どんなゲームをやりたいと思ってるのかが、自分でもよく分からなくなってきていたな。買うだけ買ってやらなかったギャルゲーとか山のようにあった気が。ま、それは置いといて。
 購入に踏み切った最大のきっかけは、実はソフトじゃなくて友達。いずれ買おうとはずっと思ってたんだけども、夏休みに友人と会ったら「俺こないだ買ったよ」って言われて、自分も「よしじゃあ買おう」と。もしそれがなかったらまだ当分は買おうとしなかったろうし、そうなるとドリームキャストをスルーしてそのままプレイステーション2に行ってた可能性もあるわけで、一つの曲がり角だったのかも。

ニンテンドー64

 とりあえずここに入れてみるけど、正確には妹が『牧場物語』や『ポケモン』で遊びたいからと両親に買ってもらったもの。ま、自分も『ゼルダの伝説』をやってみたかったので、妹が64を欲しがるよう仕組みはしましたけどね。でも結局、ほとんど自分では動かしてない。

Q

 一応ゲーム機能もありはするので含んでみるが、買った目的は完全にDVDプレイヤーとして。レンタルで借りたVHSがしょっちゅノイズだらけであることに不満だったので、当時よく通っていたTSUTAYAがDVDソフトを揃え始めたのを機にDVDプレイヤーを買おうと思った。だけど、せっかく買うのならなにかちょっと変わったのを買いたいな、と思ったんだよな確か。それまでの一般的なビデオデッキやDVDプレイヤー、そして今でもHDDレコーダーやPS2XboxXbox360PS3に受け継がれているようなテレビ台の下に置く平べったいデザインのではなく、もう見た目からしてなんか違うようなのが欲しかった。んでいろいろさがして見つけたのがこれ。ゲームキューブとしての機能は、完全に「どうでもいい」ってとこで。
 居間のDVD+HDDレコーダーで録画したDVD-Rを再生できないので最近はもう使ってないが、市販されているDVDビデオソフトを再生するにはいい製品です。最近のAV家電によくある、操作するときの微妙な間みたいのがほとんどないので。近頃のは、なんかこう、リモコンを押してから実際に動作するまでなんか微妙なラグがありあすよね、テレビでもHDDレコーダーでも。

プレイステーション2

 ドリームキャストは買ったものの、でもやっぱりプレイステーション2を買ってないと遊べるソフトの選択肢が狭くなりすぎてしまう、という認識はあった。だから買おうという意思は発売当時(自分は高校生でした)から結構強かったんだけど、なぜかずるずると延びて行ってたんだよなぁ。結局、買ったのはもう大学生になってから。『アーマードコア3』だったか。今までは興味はあったもののやったことのないシリーズだったんだけど、オペレーター役で浅川悠さんが出てるって聞いたので、じゃ買うかと。声優なんてオタクジャンルにはとっくに目を向けなくなっていたのに、その時なぜそれで買おうと思ったのかは今思うと自分でも不思議。CDとかも買ってたっけな当時。なんでそんなのめり込んでいたんだろう。何をきっかけに知ったのかももう覚えてない。いや今でも浅川悠さんは好きですけどね、でもそれが、ゲームソフトならともかくゲーム機を買う理由になっていたのかと改めて思うと、驚いてしまう。自分がやったことなのに。
 ただもう一つ理由はあって、ちょうど限定カラーが出てたんだよな。青と黒の。それを見て、お、買ってみようかなと思ったのも覚えてる。そっちのがメインか。これといいQといい、なん妙なことに拘ってお金使おうとする傾向があったのかなこの頃は。他人と違うことが好きだったか。

Xbox

 なんでだったっけ。期間限定でDVD再生キット付きだったのに飛びついたのは覚えてるんだけど、それまでやりたいと思ったソフトがあった記憶がない。DVD再生機だってこの時点でQとPS2の二台あったのに、なんでこれで飛びついたんだ自分。頭大丈夫か。
 なんてのは半分冗談で、よーく思い出すと、とりあえず『パンツァードラグーン』の新作を欲しがっていたのは思い出した。あと、この少し前にPS2で『メダル・オブ・オナー』をやってFPSの楽しさを体験して「なんで自分は今までこんな面白いジャンルのゲームに手を出してなかったんだ!」と思ってたから、そこからのつながりで『Halo』をやりたいとも思っていたような。なんか、本体購入前に、今は消滅しちゃった『Halo』公式サイトのプロモーションムービーを何度も見返していた記憶が今蘇ってきたわ。うん。その時点でXboxがもう日本では勝ちようないってことは分かっていたけど、そのあたりは「だってサターンとドリームキャストも買ったじゃん自分」で乗り切ったね。Xboxでしかできないゲームがあり、それをやってみたいと思った以上、金の都合がつくならば買うしかないわけで。

ゲームキューブ

 ニンテンドー64はあったけどほとんどそれで遊ぶことがなかったんで、まぁ実質的にはじめての任天堂かな。リメイクの『biohazard』がやりたかったんだっけか。
 あんまり書くことが浮かばない。

Xbox360

 『Halo3』と洋ゲーFPS)。これに尽きる。FPS狙いなら本当はパソコンでゲームやるのがいいんだろうけど、それはさすがに金掛かりすぎるのでね。それになにより、『Halo3』はやはりXbox360でないと。初代Xboxと同じくまた苦しい立場になるだろうことは発売前から予想はしてたけど、それでも既にその時点でPS2よりXboxの方が満足度の高いハードになっていたので、迷いは少なかったかな。いざとなればもうアジア版でいいや、というのもあったし(いまだに手は出してないけど)。



 なんだね。昔のことを語るとやたらと熱が入るのは自分でもちょっと恥ずかしいね。
 こうやって見返すと、なんかまともな理由で買ったことがほとんどないような。「1本のためにゲーム機は買えない」って、冷静に考えればそれは堅実で悪くない判断だけど、そもそも3万も4万も出してゲーム買うときは冷静じゃないことが多い、という。いや、はっきり思い出せないだけで、当時はそれぞれ自分に言い聞かせている「このゲーム機を買う理由」がもっとあったんだろけどさ。
 でもPS3を買うのは(買うとしたら)昔の自分ではなく今の自分なわけなので、そうなるとやっぱ1本のソフトで5万はまだまだ厳しい。だいたいXbox360ソフトの確保をするだけでも、なかなか金が貯まらんというに。Xbox360は苦しい苦しいと言われていて実際そうだけども、でもなんだかんだ言ってXbox360ソフトは少ないながらちょこちょこ出るのだよな。で、それを買うだけでも割と遊ぶには困らない。そうなると、PS3で魅力的なソフトが2本3本と揃っても、それらがXbox360から乗換えを決意させるだけのものでないと行かんわけでなぁ。Xbox360ソフト買うのを少し控えてでも5万溜めようと思えるだけの。うぅむ、やっぱりまだ遠そうだ。少なくとも『Halo3』が出てくれないことには、次のステップに行くことはなさそう。
 でもまー、買うのが先になればそれだけ値下げされる機会も増えるということだから、これはむしろ歓迎すべき事態と言えるか。PS3以外のハードになんら魅力を感じることが出来ず、好きなシリーズの最新作のためには高いと思っても5万円で買わざるをえなさそうなユーザー層に比べれば、ゆっくり様子を見ていられる良い位置につけることができたわけだし。