トオフマン

ファミ通.com : シリコンナイツ直撃取材! 『Too Human』プレイリポート!!
 同じマイクロソフトがパブリッシャーのソフトなのに、画面写真をパッと見るだけでもMSKKからのゲームとのいろいろな差が丸見えと言うのがなんとも悲しいというか。サードならば「売れないから」を言い訳にも出来るかもしらんが(「ならソフト出さなきゃいいじゃん」という話なので、出す以上はそんな言い訳も本当は通じやしないけどね)、ファーストから伺えるやる気にすらこれほどの開きがあるというのは……今に始まったことでもないね。
 記事を見ていて気になったのだけど。

 バーチャルディレクターシステムというのは、簡単にいうとカメラアングルをAIが制御する機能のことだが、これはテレビ番組のスポーツ中継などを考えてもらうとわかりやすいだろう。サッカーの中継を例にとると、試合中は何十台ものカメラが選手の動きを随時追いかけていて、現場のディレクターがそのときどきで最適のカメラアングルを選んで放送することになる。この"ディレクターが最適のカメラアングルを選択する"という行為をAIに任せたのがバーチャルディレクターシステムだ。『Too Human』では、フィールド内に仮想のカメラがたくさん設置されており、そのときどきでプレイヤーがもっとも遊びやすいカメラアングルをAIが選択してくれることになる。

 なんだかものすごい不安を感じる。プレイヤーの意思とは別に勝手にカメラを動かされるのは、アクションゲームではかなり致命的な落とし穴になるような気がするんだけども。プレイヤーはカメラを通してしかキャラクタの位置関係を把握できないわけだから、それがホイホイと変わってしまうことに利点が見出せない。恐らく作り手は、アクションゲームの大半が一人称か後方俯瞰のカメラばかりで、何を見ても同じようなアングルのものしかないことに対して「もっと凝ってみたって良いはずだ」と挑戦しているのだろうとは思うけど、見せ手としてはそれで良いとしても、プレイする方は堪ったもんじゃないような。あと、カメラがあらかじめ固定されているということは、「プレイヤーから見て手前奥」というのではなく「キャラクタから見て前後」という『biohazard4』以前の『バイオハザード』のような操作になるということなんかな。個人的には別に嫌いじゃないけど、日本だと「ラジコン操作」と言うレッテルの名の下にぐだぐだ文句を言われやすいシステムなのでどうだろ。と思ったけど、よく考えたら彼らに日本のユーザーなんて眼中にあるわけないから問題なしか。
 あともう一つ、この手の「簡単な操作で派手なアクションが」ていう煽りはいろんなアクションゲームで見るけども、一つのボタンで様々なアクションが出てしまうようになるほど「○○という状態でボタンを押すと××なアクションが出る」というパターンの全てを把握していないとプレイヤーが想定していなかった動きに繋がってしまう場面も多くなって、逆に操作しづらくなりストレスに繋がるんじゃないのかと常々思ってるんだけど、その辺もどうなんだろうなぁ。なんてことを、現物をやりも見もしないで思ったりする連休第一日目。


 ところで、個人的にはマイクロソフトが北米での年末商戦の中核に据えるだろうと言われている『Gears of War』の方が興味津々なんだけど、『Too Human』がとりあえず日本でも2006年予定と発表される*1中で『Gears of War』の方はいまだ発表なしと言うことは、日本での年内は無理ってことなのかしら。ファーストパーティーのソフトならば少なくとも出ないなんてことはなかろうとは思うんだけども……。北米向けにはE3で発表があるんだろうけどさ。そういえばXbox LiveマーケットプレイスもE3開催にあわせてムービーやらデモやらコンテンツ大増量らしいけど、どうせ配信されるのはいつもの如く北米向け限定なんだろこんちくしょうめ。どうやったって日本国内発のネタで盛り上がることはもうありえないんだから、そこくらいこっちにもおこぼれくれたっていいじゃない。いや、そこでおこぼれすら貰えないんじゃ、なにをすればいいのさ。ソフトの発売予定が無いからこそ、マーケティングとか気にせず日本向けにそのまま垂れ流しちゃったっていいとは思わないか!
 ごめんなさい、北米シルバータグ作るのが面倒なだけです。はい。

*1:ただ『ファミ通Xbox360 6月号』記事中にはそう書いてあるんだけど、巻末の新作ソフトスケジュールだと発売日未定のまま。わざわざエンターブレインに金出して雑誌作ってるんだから、こういうとこしっかりさせてくれなないと困る。ていうか、ファミ通が握っている読者層とXbox及びXbox360のユーザー層なんてまず被っちゃいないんだから、もういい加減に脱ファミ通を目指していいんじゃねぇかと思うんだよね。ファミ通という名前を借りてることのメリットがなさすぎる。サードパーティのクリエイターに対するインタビューとかも、いちいち雑誌に載せんでもXbox.comに掲載して皆が見られるようにして何も悪いことは無かろう。MSKKとしてはファミ通を読む「そういう層」を取ってXbox360をメジャーハードにしたいのかもしれんけど、本当にそう考えるならまずそれに相応しいソフト出せやって話なわけで、それもせずにただ金に飽かせて安易にファミ通という既存ブランド(既存ブランドと言うことは、もう既に別の力によってその媒体は握られているということでもあるのにね)に乗るだけでどうにかなってたまるかっちゅう話じゃありませんこと?