フランケンシュタインと息子たち

CASSHERN [DVD]

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 こないだ日曜洋画劇場でやったのを録画はしたものの、評判の悪さが気になって踏ん切りがつかないでいたのだが、今日ようやく決心が付いたので見た。
 事前に散々悪い言われ様ばかり目にしていたからか、それほど悪いとは思わなかった。というより正直、面白いと思った。ブライ蜂起の演説とか唐突で「オイオイ」と思ったけど、全般的に映像と音楽が申し分ないので、それもまたこの作品ならではかなと思える。それよりも、この作品に対する不満の一つとして良く聞いた「『喋り』が鬱陶しい」というのが、よく分からん。別にそこまで激しくないと思うし、これよりもアレなセリフをくどくど喋る作品なんてアニメやゲームでごろごろしてやおらんか。あー、「ゲームやアニメごときを映画と比べちゃいかん」のかしらね。


 ま、こちとら映画を見る目があるとは自分でも思ってないから、世間でつまらないと言われてるなら多分そうなんだろう。一応、大学では映画の批評や分析に関する講義も幾つか受けたんだけども、二十余年付き合って自覚している我が脳みその働きどおり、まったくもってうまい理屈が浮かびやしないもんで、恥ずかしながら「面白いと思った」「つまらないと思った」と言う以上のことが書けやしないのが悔しいが、そんなもんは自業自得な上、別に今に始まったことでもないので、悔しいと言うならうまくいくよう努力すべきだよねと言う、いつのまにか自分の反省になっている映画の感想のエントリー。あれ?


 実は一番面白かったのは話の本筋ではなくて、雷のところ。話としては「実験中に雷が落ちて〜」というような人造人間誕生話によく出てくるお約束という役割であると共に、あの世界においては人類誕生に関わるファクターとして機能している。あの雷が落ちたことによって(恐らく)オリジナル・ヒューマンの因子が活性化し切断された人体が繋がってブライたちが生まれたし、ラストで鉄也とルナは雷となって別の宇宙へと旅立ったし、オリジナル・ヒューマン誕生の地でありキャシャーンの伝説が語り継がれた第七管区には雷を持った神像が建っている(作中のシーンでは雷を持った腕は崩れているが、作品冒頭で完全な形の像が出てくる)。んだけども、作品内ではご丁寧にそんな説明はしていない。それがいい。こういう、メインでほとんど語られない設定は大好き。しかもそれが単に「ほらほら、こんなたくさん裏設定あるぜ!」的な製作者の自己満足ではなく、実は話の上でとっても重要なものであれば尚更。そう、何より重要なのは、なぜ雷が今またあの世界に落ちたかと言うこと。はるか昔に第七管区に落ち、既にそこから人類が生まれているにもかかわらず。ブライの演説がウザイとか言ってる場合じゃないんである。


 とかうだうだ書いてみたんだけどさー、ネットにはもっと真面目に考察したサイトがあんだよね。うん。今さらこんな幼稚でつまらない文章書いてどうするのかと。分不相応。でも毎度の如く、書いたものはもったいないので投稿しておくとしよう。