どこに顔を向け、どこへ足を向けるのか
ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2006/01/26
- メディア: Video Game
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ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン (通常版) [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: DVD
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本日発売であるところの『ダージュ・オブ・ケルベロス』に関するネット上の話題はあちこちで見かけ、よくあるアンチ・スクウェア、アンチ・ファイナルファンタジーな方々による定型的なレッテル貼りから、購入者による案の定な「酔っちゃった」報告や「アクションは苦手」報告など様々だが、新聞広告について触れている記事は見ない。気をつけて周りを見たり探したりいるわけでもないのではてなのasinページからも辿ってみたが、23時12分現在、新聞広告について書いているものは一つとしてなかった。貶すにしても誉めるにしても、新聞の一面広告などと言うインパクトのあるものに知っていて触れないとは思えないから、つまり、皆新聞なんて読んでないということだろう。
不思議に思ったのはそれなんである。新聞の一面広告は確かにインパクトがあり、テレビゲームやアニメ作品の広告ともなれば珍しさからさらにインパクトは増す。でも。新聞を読む層とゲームをやる層は、今や全然違うんじゃないのか。ゲームをやらない、アニメを見ない人に大金をかけてソフトをアピールして、どういう意味があるのだろう。まさか、このニ作品にはそういう大人もひきつける魅力があるはずだなどと思っているわけでもなかろう。作品ではなくスクウェア・エニックスという会社自体のアピールなのだとしても、今それを、この作品の広告でやる意味はどんだけあるのか。ゲームをしない人に向けた会社のアピールなら、どう考えたって『ファイナルファンタジー12』の方が適任なのは明白なわけで。一体、誰が何を狙ってこの広告を出すことにしたのかしら。
スクウェア・エニックスは、一体どこに向かっているのかねぇ。プレイステーション一極集中をやめてゲーム専用機以外にもプラットフォームを色々広げているし、また『ファイナルファンタジー7 アドベント・チルドレン』は、この1本から映像作品制作の可能性と『ファイナルファンタジー』シリーズの展開の可能性という、二つの未来を感じることができた。でも、果たしてそれで足りるのだろうか。つまり、いくらいろんなサービスの形態に手を出しても、提供されるサービスの内容が、RPGというジャンルと既存のシリーズに関わるものに限定され過ぎていては意味がないんじゃないか、と。それが分かっているからプラットフォームの開拓を優先してるのかもしらんが、しかし……大丈夫なのかねぇ。もっと小さい会社なら一つのジャンルの開発に特化するのもいいだろうけど、これだけ大きなブランドで、しかも人気の既存シリーズを抱えてそれに対する投資がこれからも増えていくであろう状況だと、図体の大きさが仇になっていつか身を持ち崩すんじゃなかろうか。
まぁ、スクウェア・エニックス作品で特に好きだというものはないから何かあったところで別に困りはしないんだけど、今のつらい状況を認識して変わろうと頑張っている会社は、やっぱり応援したくなるものだからね。