記憶ってのは残酷だぁね
昔々
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おや、と思い始めたのは『エースコンバット4』からだったか。地上近くを這い回る対地ミッションの多さ、煩わしいだけの補給、ごっそり減らされたミッション数と、結局クリアすることもなく棚に収めてしまった。同時に、そんな自分の評価と、絶賛一辺倒の世間の評価との乖離に驚き、今思うと、それがまた「醒め」の後押しになっていったのだろうと思う。Xboxの『Dead to Rights』は、開発はアメリカらしいと知ってはいたが、それでもナムコの看板背負わせてこれなのかと消沈し、またもやクリアすることなく棚に収まることになった。体験版『BREAKDOWN』では、距離感のつかみづらい一人称視点で殴り合いをさせるという、ただ「海外でFPSが売れてるみたいだから、視点だけ真似てみました」と言わんばかりのシステムで、本当にあのナムコがそんなものを作るのかと首をかしげたのを覚えている。体験版『デス・バイ・ディグリーズ』は、ただ操作を2本のアナログスティックに集中しただけのものを「シンプル操作」と呼んでしまうことに開いた口がふさがらなかった。
最後のダメ押しは、『エースコンバット5』。なかなか良い感じに始まり、今度こそは以前ナムコタイトルを遊んだときと同じ興奮がまた体験できるに違いないと、そう、思った。思ったのだが。ドッグファイトをしている最中に十字ボタンを押すよう促す表示が出た瞬間、もうすべてが終わった。ドッグファイト中は左手の親指は左スティックにあり、人差し指はL1ボタン、中指はL2ボタンにある。どう考えても十字ボタンを押させる状況ではない。
グラフィックもキャラクタは悪くなかったし、ストーリーは先に行けばどんどん盛り上がっていったのだろう。音声を日本語と英語の二種用意したのは、素晴らしかったと思う。が、それらはあくまでもプレイを快適にし、ユーザーを盛り上げるためのものであって、中心となるべくはゲーム本編である。その本編でのドッグファイト中に余計な操作をさせるような作りは、あらゆる要素を相殺して余りあるマイナス要因だった。今度こそと期待をかけて、意気込んでプレイに望んでいたことの反動もあろう。ぶっちゃけてしまうと、「こんなシステムを入れちまうような奴の作ったゲームやるのなんざ、まっぴらごめんだ」と本気で思った。今、手元に『エースコンバット5』はない。
そして今
あの9bit confusionさんに言及されちゃってイヤンどうしよう、なんて悪ふざけはおいといて、いや、分かってます。分かってますとも。アーケード版すらもない家庭用だけの格闘ゲームなんて、そう多くの人が買うわけでもなければ、そう真剣に取り組む人がいるわけでもないことは。だから、キャラクタのエディットなんかに力を入れているのは客層を考えれば正しい判断で、そういう部分ではナムコはいまでもさすがだなと思う。インパクトガード関係のバグの存在だけを聞いていた段階では、そのくらいじゃメーカーは直さないだろうし、ユーザーも目をつぶっていいんじゃないかと思った。でも、セーブデータ破壊となると、だんまりするにはあまりにも重過ぎる。ダメなんだ。そんな卑怯なのはナムコじゃない。ナムコであるわけない。あのナムコはどこに行っちゃったのと、嘆かずにはいられない。
まぁ、自分は家庭用ゲームに触れたのもナムコに触れたのも同世代と比べてすら遅かったので、ゲーモクさんの言う「ナムコはまだゲームがゲームらしかった時代に、ひときわ輝いていた伝説のメーカーでした」というのは、多分こっちの頭の中にある「在りし日のナムコ」とはかなり違うのだろうとは思うが、しかしどうにしろ、今のナムコと記憶の中のナムコのあまりの違いを思うと、溜息の一つもつきたくなる。そもそも、今までのナムコがバグにどう対処したかという話を聞いたことなんかなければ体験したこともないので、そこで昔のナムコを出してどうこう嘆くのは、耄碌爺が勝手に美化しまくった過去を語ってるくらいのもんでしかないのだけれど、ていうか、「今のサポート体制」と「昔のゲームが面白かった」ってことをどうして同じ土俵に上げて比べてるんだ自分は落ち着けよとか、ただでさえまともな文章がかけないのに、感情が先走ってどうにもならんな。
とにかく、ナムコは違うんだよ。いや、違うんじゃなくて、いけないんだよ。こんなユーザー軽視をするメーカーじゃダメなんだよ。やれば出来る子なんだよ。今回の『ソウルキャリバー3』の件を表向きどう処理するにしても内部では教訓として生かされ、今後のテイルズシリーズには一層慎重なデバッグ作業がされるんだろうけど、でも、ユーザーが少ないならバグを放置して良いなんてことがあるわけないし、逆にだからこそ、メーカーとしての誠実さをアピールする一大チャンスだったのに。だったのに、なんで、こんな……。