歴史の改変

 まぁ唐突さや狙いすぎ感も否めないのは確かではありますが、歴史改変モノでは、ああいった「歴史の矯正」というのはよくありますね。タイムスリップによる未来人の介入で一時的に歴史が変わるものの、結局のところ回りまわって起こるべき出来事は起き、最終的にはほぼ元のとおりの歴史の流れに戻る、という。又兵衛本人も今際の際に言っていますが、彼は最初にしんのすけが遭遇した合戦で死んでいるべきだった人物であったために、遅れはあったものの最期は凶弾に倒れたわけです。そして春日家も、とりあえずあの戦には勝ったものの、唯一の拠り所だった武将を失い、大大名の大蔵井家を敵に回し、もう長くは続かない。なぜなら、それが歴史だからです。
 「又兵衛と姫は結婚し、春日の領民に慕われて末永く幸せに暮らしましたとさ」というエンディングで幕を閉じても、別に文句は出なかったと思います。でも、そうはしなかった。合戦のシーンと同様、「所詮はアニメ、子供向け」などと妥協することなく筋を通して作り上げたわけで、いやはや、素晴らしい作品でございますな。