三冊読了

ミステリー大全集 (新潮文庫)

ミステリー大全集 (新潮文庫)

エイリアンvsプレデター (竹書房文庫)

エイリアンvsプレデター (竹書房文庫)

千年紀の墓標 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

千年紀の墓標 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

 最近ゲームのことばかり書いていたので、違うことも。

ミステリー大全集

 えーと、前に書いたのはgoo blogの頃だったか。ミステリ小説では殺人事件というのは、必ずとは言わないけれどもかなりの発生率を誇るお約束の事件。フィクションであることは明白なのだから嫌悪を感じる必要もなく、だからこそエンターテインメントとしてミステリ小説楽しめるわけなんだけども、唯一、性的な犯罪に関してはどうしても強烈な嫌悪感が先に出てしまう。ようするに強姦ね。どんなに途中まで面白く読めていても、この犯罪が出てくると途端に読む気が失せる。ところが幸か不幸か、この種の犯罪は人間関係の複雑さや、登場人物の卑劣さを示しわざとらしくミスリードを誘うためのネタとして少なからず出てくるんである。
 この『ミステリー大全集』もそうで、まぁ収録されている幾つかの内の一編でちらと匂わせているだけなのだけれども、辟易してしまった。ちなみにその短編の作者は赤川次郎氏だったが、以前にも家にあった氏の短編集を手に取ったら性的犯罪のネタがあったことがあって、ついでなのでここではっきりと言っておくと、もう二度と赤川次郎氏の作品を進んで読むことはなかろうと思う。

エイリアン vs.プレデター

 先に別メディアの原作ありきでのノベライズなんてつまらないに決まってら、という思い込みが元よりあったのは否定しないが、その先入観に違わぬ出来だった。映画版を見た後、暇つぶしにちょいと読んでみるのは良いかもしらん。というか、そもそも映画版からしてアレだったわけなんで、どうノベライズしたってそりゃ大したものにはならんよな。
 映画製作に予算的・技術的な制約があるのは致し方ないとして、どうせならいっそ別物と割り切って小説は書くべきだったという気もしないでもない。面白くない作品をそのまま文字にして、どうしようというのか。せっかく別の表現媒体に移ったのだから、映像製作の過程での制約からは解き放たれていいと思うんである。実際、プレデターは映画版より人数が多いのだし。何の存在意義もない水増しだったけどね。

千年紀の墓標

 久々のトム・クランシー。終盤はかなり急ぎ足な感じで、勿体無い。
 彼の作品は元々どれも国家的・世界的危機の渦中でアメリカ人のスーパー主人公が大活躍する話ばかりではあったが、今回は主人公が国に忠誠を誓う公務員(?)から一般市民になったことで(大企業の社長ではあるけど)、どうも彼が発揮する正義感がいかにも嘘っぽくなってしまっているように思う。そんな出来た人間いるのかよ、と。続編もあるシリーズモノのようだが、この分だと読むことはなさそうかな。