一息

 ついこないだ『バイオハザード II アポカリプス デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]』を衝動買いしたばかりというのに、大きな用件がひとつ片付いた解放感と、昨日初めて見たら評判を聞いて思っていたほどひどくも無かったということで、つい購入。

 あくまでも思っていたほどではないというレベルであって、個人的に殿堂入りしてる『ターミネーター2』は勿論の事、超低予算映画だった1作目の『ターミネーター』にすらはるか及んでいない。金やCGを使いさえすれば面白い作品が出来るわけじゃないってのは至極当然のこととして、やはり話と設定の練りこみが足らんよな。特にロボ! 変身能力を持ってるのにたまにしか使わないT-Xもそうだし、妙に感情的なT-850もそう。いくら混乱してるからって、ロボットが必要以上に抑揚つけて話すんじゃない。アホか。前作が秀逸だっただけに残念。
 まぁ結局、ビジネス的意義以外では作る必要は無かった、と言ってしまえばそれまでか。更に続編も作るらしいが、なんだかなぁ。ただシュワルツェネッガー抜きとの噂に関しては、むしろそれによって出てくるかもしれない新しさにはちょっと期待してみたい。ていうか、シュワルツェネッガーの格好をしているターミネーターを出さなきゃいけないと言う縛りは、やっぱ話を作る上できついと思うのよね。とりあえず『3』では理由が与えられているけど。


 で、予想通りというかなんと言うか、テレビ放送版とDVD版では微妙に吹き替えのキャストが違う。こういうときに困るのは、大概テレビ放送版のほうが出来が良いってことなんだよな。先に見たからっていうのも大きいだろうけどー。いやでも、このDVDのジョンの吹き替えは最低だよな。映画会社のせいなのかレコード会社のせいなのかは知らんが、売り物なんだからもっとちゃんとした声優使えっての。

ジョンの殺し方

 改めて見直していて思ったんだが、つまり、強力な爆弾を内蔵したターミネーターを送り込めば良いんでないのか? 通行人を装って接近して、ドカン。爆弾の性能にもよるだろうが、それほど接近する必要もないから警戒されないしー。銃を振り回して追いかけるからダメなんであって、敵と認識される前に一瞬でカタをつけてしまえばよい。
 と思いつつ、でも待て。スカイネットがそうであったように、たとえジョンを殺しても結局は誰か他の人間が司令官になって抵抗軍が組織されるんじゃないのか、今のターミネーターの設定だと。そもそも2作目と3作目で抵抗軍の送り込んだターミネーターが直接スカイネットを狙いに行かないのは、未来のジョンは、いくらサイバーダインや米軍のスカイネットを壊しても、いずれまた同じものを誰かが作り審判の日が訪れてしまうこと、つまり未来は変えられないと知っているからでないのだろうか……。
 と思ったけど、違うか。スカイネットを破壊できないのはそれがネットワークそのものに発生した意識体であるからで、必ずしも未来がどうこうということではない。つまり審判の日を食い止めるには

  • コンピュータネットワーク発達
  • 米軍(戦力的にはおそらくロシア軍でも可)への自律コンピュータ導入

のどちらかを抑えないといけないわけだ。あー、時代の流れからいってどう考えてもこれは無理だよな。どっちも。てことは、やっぱりジョンは必死になって自分を守るしかないわけだ。別の人間が司令官になることでより良い戦況に変わる可能性もありえるが、そうはならない可能性もあるわけで。なるほどねー。
 でもやっぱり納得いかんのは、最初に言ったとおり、スカイネット側のジョンの殺し方だよな。未来のジョンを101型の容姿で油断させる作戦まで思いつきながら、過去のジョンの狙い方は相変わらず杜撰。うーん。ん? ふと疑問に思ったが、スカイネットは未来のジョンの抹殺成功を知ってるのだろうか。知っているからこそ、心理的な効果を期待して女性型のターミネーターを過去に送り込んだのだろうと思ってたが、その手の効果を狙うならそれこそ101型を送り込んだほうが手っ取り早いよな。「守りに来た」と嘘をついて相手が油断したところを、ズドン。これで済む。なぜそうしなかったのか。ジョン司令官抹殺に送り出したのが最後の旧型だったのか? でもT-Xも外見を自由に変えられるんだから、101型にこだわる意味はないよな。外見のデータは既にスカイネットが持ってるはずだし。うぅむ。

 DVDの特典映像を見ていたのだが、そうか、2でサイバーダインを破壊したことで、3のターミネーターはサイバーダイン製ではなくサイバー・リサーチ・システムズ製になってるんだな。なるほど。まぁそれでどうってわけでもないが。
 で、T-800の説明が「モデル101型、シリーズ800」で、T-850の説明も「モデル101型、シリーズ850」なのに、なんでT-1000は「モデル1000型」でT-Xは「モデルT-X型」なんだ? 変身可能とはいえデフォルトとしての何らかのモデルがあるとしても、そこは「シリーズ1000型」「シリーズT-X型」じゃないんだろうか。「モデル」は人間としての外見を、「シリーズ」は中身の骨格部分を指していると聞いたのだが。映画のT-800とT-850を比較して考えても、この説明で間違っていないはず。どうなんだ。液体金属で変身可能になって人間としての外見による区別が用を成さなくなったから、型番の付け方を変えたのか……でも、T-1は「モデルT-1」なんだよな。
 えぇと、つまり、「モデル800-101」というのが正しいのか? ただ「モデル800」は他にもいろんな外見をした同型機(実際どんなもんかは知らんけど、たぶん「800-102」とか「800-103」とか、でなきゃ「800-201」とか)がいるから、区別しやすいようにこの型番だけ「モデル」という呼称を外見による区別に適用してるとか。そんなとこかな?

もひとつ

 DVDの特典、確かゲーム版の販促映像でも同じのを見たのでもしかしたらそっちにも入ってるのかも知らんが(ゲーム用に撮ったのか、映画版のボツシーンをゲームにまわしたのか、ただプロモ用に入れてあるだけなのかは不明)、いいね、ウィリアム・キャンディ曹長。映画のターミネーターへの「ロボットの癖になんで英語がなまってんだ」という突っ込みに小説版では「人間の姿をしたターミネーターにはそれぞれモデルになった人間がいて、そのモデルのなまりが再現してある」という設定で返していたという話を聞いたことがあるが、つまりこの人が101型の元になったわけだ。なるほどなぁ。このシーンはぜひとも本編に組み入れるべきだったぞオイ。

んー

 これで最後。ケイトとイチャついた次の日にT-800が現れ、その10年後に再びケイトとT-850に会う。車の中でジョンがそういうことを言うわけだが、なんかすごい意味ありげなのに、どういう意味なのかがよく分からん。そのあとキャンピングカーに乗り換えるシーンの「もしあの日T-800が現れなければ、ケイトと付き合って、父親にも会ってた。全ての鍵を握ってるのは、ケイトの父親だ」に繋がるんだろうけど、それもまた意味が分からん。会ってたらどうなんだろう。審判の日と同様にケイトと結ばれるのもまた変えられない運命のひとつだったってことなのかもしらんが、それが父親とどう繋がるんだろう。はて。そのコネクションがあったからこそ一般人にもかかわらず核戦争を生き延びることができた、ということだろうか。でもそれもそれで大して意味のあることではないように思う。なんなんだろう。