私が通ってきたFPSの道 その4 『ポータル』

オレンジボックス【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360

オレンジボックス【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360

 2008年5月に、Xbox360用ソフトとして発売されました。正確に言うと、『ハーフ・ライフ 2』、その続きの追加シナリオにあたる『ハーフ・ライフ 2 エピソード 1』と『ハーフ・ライフ 2 エピソード 2』。オンライン対戦ゲームの『チーム・フォートレス 2』。そして、今回この記事で紹介する『ポータル』の、5本のFPSがセットになった『オレンジボックス』というゲームソフトが発売になりました。5本のゲームが入っていても、値段は普通のゲームソフトと同じです。今でも新品で買えると思いますが、『ハーフ・ライフ 2』などに過激な表現があるためか、日本のゲーム審査機関によって「レーティング Z」に指定されています。Z指定のゲームソフトは、18歳未満への販売が小売店により自主規制されますので、18歳未満の方は、申し訳ありませんが購入もプレイもご遠慮ください。18歳以上の方がお店で買う場合にも、お店に設置されたZ指定ソフト専用コーナーを探すことになると思います。
 『ポータル』だけを、18歳未満の方が規制に触れず購入する方法もありますが、少し問題があります。詳しくは後ほど書きます。


 ゲームの舞台は、おそらく近未来。ゲーム中では、はっきりとは分かりません。主人公は、まったく知らないどこか研究所のような施設の中で目を覚まします。周囲には、人は誰もいない。ただ、機械音声のアナウンスが語りかけてきます。「先の部屋に進んでください」。その声にしたがって、主人公は「ある装置」を使いながら、その施設の中のさまざまな仕掛けを解いて進んで行く、と言うゲームです。

ゲームの概要

 これまで「私が通ってきたFPSの道」で紹介した3つのFPSは、すべて銃を使って人やエイリアンを撃つアクション・シューティング・ゲームでした。この『ポータル』はそうではありません。このゲームのジャンルは、パズル・アクション・ゲームです。そこで今回は、私の体験ではなく、ゲーム内容の説明に、重点を置きたいと思います。
 ポータル・ガンと呼ばれる装置を使って、建物の壁や天井に穴を開けて、進んで行きます。穴を開けるといっても、ドリルで掘るようなことではなく、開けた2つの穴が繋がり、通り抜けられるようになるのです。ドラえもんの秘密道具の、どこでもドアやとおりぬけフープを想像すると分かりやすいと思います。それらの秘密道具と違うのは、入り口と出口の両方を、プレイヤーが自分で開設置しなければならないということ。つまり、「その2つの出入り口をどこに設置すれば、行く手を阻む仕掛けを解いて先へ進むことができるようになるのか」というパズルゲームなのです。
 設置の仕方は簡単です。まず、壁に向かってポータル・ガンを発射すると、丸い穴が開きます。そのままでは、壁にただ変な模様が出ただけでしかありません。次に、別の壁に向かって、もう一度ポータル・ガンを撃ちます。そうすると、最初に発射して出来た穴と、次に発射して出来た穴が繋がって、その穴を自由に出入りすることが出来ます。
 文章での説明だと、まだよく分からないかもしれません。「そうやって穴を繋げて、それでどうするの? そこをただ通るだけで、そんなの面白いゲームになるの?」と思うでしょう。ですので、今回はここでYouTubeの映像を紹介します。『ポータル』の予告編で、見ればゲームの内容が分かると思います。残念ながらこの予告編には日本語のものがなく、今回紹介するものも英語なのですが、映像だけでも分かりやすく説明されていますので、英語のナレーションが分からなくても大丈夫です。私も英語が大の苦手なのですが、最初にこの予告編を見て「このゲームを是非、自分で遊んでみたい」と思いました。

Portal Teaser Trailer


 映像を見てもらえれば分かるとおり、パズルには意外とバリエーションがあるのです。入り口と出口を設置する、ルールはただそれだけですが、そう一筋縄ではいきません。自分が出入りするだけではなく、他の物体を移動させるのにも使いますし、高所からの落下の加速度を利用して遠くへ飛ぶ、というアクションもあります。こうして文字で書くと、なんだか難しそうですね。でもゲームではちゃんと少しずつ段階を踏んで難しくなって行きますから、大丈夫です。私でもちゃんとクリアできたくらいですので。


 もうひとつ、このゲームの魅力が、ストーリーだと思います。仕掛けを解いて先へ進んで行くにつれて、主人公は、この研究所の「裏側」にも入るようになります。一体、何の施設なのか。誰が自分にこんなことをさせているのか。あくまでパズル・ゲームなので、途中すごいイベント・ムービーが流れ始めて、ということは一切ありません。ですが、意外に印象深いストーリー、ストーリーと言うより雰囲気と言う方がいいでしょうか、それを味わうことが出来ます。

シリーズの展開

 確かなことはまだ何も発表はされておらず、内容や発売時期はまったく分かりませんが、『ポータル 2』の製作予定は既にあるようです。


 ところで、最初に、『オレンジボックス』はZ指定タイトルなので18歳未満は買えない、ということを書きました。『オレンジボックス』が買えないと、その中に収録されている『ポータル』を遊ぶことも出来ません。ただ実は、『ポータル』を単品で18歳未満が遊べる方法がひとつだけあります。買えるのは、Xbox360を持っていて、なおかつそのオンライン・サービスXbox Liveに加入している人です。
 Xbox Liveのサービスの中に、家にいながらその場でゲームをオンライン購入できるというものがあります。Xboxソフトなのか、Xbox360ソフトなのか、アマチュア製作のソフトなのか、と言ったゲームの種類によっていくつか別々のサービスに分かれているのですが、その中の、Xbox Live アーケードというサービスで、『ポータル スティル・アライブ』が1,800円で販売されています。名前は少し違いますが、こちらの方があとに出たので、内容が少し追加されているようです。こちらは、審査機関の指定レーティングがBですので、18歳未満の方であっても遊ぶのは大丈夫です。ただしオンラインでの金銭の決済がありますから、購入に関しては、未成年者は保護者にちゃんと話をしておくのがよいと思います。また、レーティング Z以外であれば規制の対象ではありませんが、レーティング Bでも「12歳以上が対象の表現内容が含まれています」と言うことにはなりますので、12歳未満の方が遊ぶ際には気をつけてください。
 とても大事な注意点が、一つ。この『ポータル スティル・アライブ』には、問題もあります。中身が英語のままだと言うことです。『オレンジボックス』の『ポータル』には、日本語字幕が付いていましたが、こちらにはありません。パズルを解く、ということだけに限れば、問題文のようなテキストが表示されるわけではなく、ルールは「入り口と出口を、どこに設置するか」というだけのごく単純なものなので、英語が分からなくても問題はありません。それだけでも十分に面白いゲームです。このゲームだからこそ体験できる楽しさが、しっかりとあります。ストーリーについては、元々そんなはっきりとしたストーリーがあるゲームではないので、ゲーム内の雰囲気だけでも流れを把握することは出来ると思いますが、やはり字幕が日本語で読める場合と比べると、このゲームを遊んだ体験には少し差が出るかもしれません。一応、その点についてはご注意ください。
 なお、Xbox360のオンラインサービスとそこでのゲーム販売について、必要な環境や条件など、不明な点は各自でお調べください。

ゲームの映像紹介

 YouTubeにあった動画です。Xbox Live アーケードでオンライン販売されている、『ポータル スティル・アライブ』の方ですね。日本の方が作った動画のようで、日本語のコメントがされていますので、参考にしやすいと思います。見て分かるとおり、元々そんなに文字が出てきたりしゃべったりするゲームではないので、英語のままでもあまり問題ありません。落下の加速を利用したジャンプなど、まだプレイしたことがない人には難しく見えるかもしれませんが、前にも書きましたとおり、ゲーム内ではちゃんと少しずつ慣れていけるようになっていますので、心配はいりません。

XBA ポータル プレイ動画