『Call of Duty : World at War』は面白かったと、はっきり言っておきたい

 『Call of Duty : World at War』クリア。面白かった。非常に良かった。
 発売前から不遇なタイトルだった。『Call of Duty 3』の評判のよくなさ。そして、『Call of Duty 4』の評判のよさ。前者と同じ開発元であるがゆえに、一般ユーザーどころか海外のゲームメディアにも懐疑的にしか見られることがなく、しかも発売前に『Call of Duty』の商標権の譲渡などあったことも影響しているのか、『Call of Duty 5』を名乗ることが出来なかった。そんな本作である。


 正直に言おう。俺も、あまり期待していなかった。『Call of Duty 4』のInfinity Wardではなく、『Call of Duty 3』のTreyarchが開発すると聞いたときから、「ああ……」と思った。実のところ『Call of Duty 3』はやっていなくてプレイ動画を見ただけなので、本当なら俺はそういうことが言える・思える立場ではないんだけれども、それでも動画を見て「俺には合わなさそうだな」と思ったから『Call of Duty 3』は買わなかったわけだし、実際にプレイした人の評判も良いとは言えず、やっぱり俺の判断は正しかったんだなと思っていた。
 だけど。ダメだな。うん。「Infinity WardじゃなくてTreyarchだから」でスルーするには、これはあまりに勿体無い。一級品かと言われたら、さすがに首は縦にふれない。グレネードはとにかく常にばんばか飛んでくるし、敵さんに「お前、なんでそこでただ銃を構えて突っ立ってるの?」と聞きたくなるシーンがちょくちょくあった。穴を掘って隠れていた日本兵ががばっと這い出して襲い掛かってくるシーンは、ともすれば余りに滑稽で、相当危ういギリギリの線だろう。
 でも、それでも、これはすごいよ。グラフィックスは細かく描き込まれ、音楽もしっかり気分を盛り上げる。幕間のムービーもなかなかカッコイイ。ラストシーンは、さすがに『Call of Duty 4』のアレには及ばないが、それでもそこいらのFPSよりはずっと素晴らしいと思う。米軍の対日本シナリオもあるが、海外製の映画やゲームにありがちな変な日本描写を丸出しにしてこっち(日本人)の気を萎えさせたりもしない。人によってはやっぱり日本人が相手と言うのを不愉快に思うだろうけども、そこはもうどうしようもないのでな。俺としては、やる前は「気にしないようにしよう」と思いつつも「でもやってみたら、どうなるかなぁ。やっぱり嫌になるかなぁ」と不安もあったけど、実際に遊んでみると気になることはなかった。面白かった。
 これをやらないっていうのは、うん、勿体無いと思うね。1級とは言わないけども、まさかこれで2級でもない。1.5級とくらいは、呼んで良いんじゃないだろうか。ダメ? じゃあ1.65級くらいでひとつ。



 いやもう、それにしても。『007 : Quantum of Solace』も面白かったし、Treyarch良いね。これからどんなゲームを作る予定なのか知らないけども、ここのFPSは楽しみにしていいんじゃないか。2タイトル、方向性はかなり違ったものだったしけども、ゲームとして面白かったのは間違いないと思う。うん。少なくとも俺にとっては、どちらも大満足と呼べるレベルだった。素晴らしかった。とりあえずのFPSリハビリ、あくまで前菜的なものとして選んだつもりだったのに、いきなりこんな当たりを引いちゃったら、この後どうしたものか困っちゃうくらいだわ。いや、ほんと。