HD DVD

 俺の買った『ベクシル』の初回限定版には、HD DVDが付いてる。DVDの特典ディスクが2枚も付いているから価格に文句は無く(DVDと特典ディスク2枚でも、アニメのDVD初回限定版版としては1万円は妥当といえる)、ブルーレイビデオプレイヤー所持者でもないので「これがブルーレイならなぁ」と口惜しがることも無い。
 ただ、なんつーか。規格普及にアニメを使うのはそれは結構ちゅか、ブルーレイもそれでうまくやってる側面があるわけだけど、ブルーレイのそれと比べてHD DVDは、そのキャンペーンのために選ばれるタイトルが、こう、あまりにズレすぎているというか、「お前それにHD DVD付けてどんな消費者が釣れると思ってるんだ……」みたいなのばっかすぎて、HD DVD支持者というわけでも所持者でも、ましてや会社関係者でもない俺ですら、見ていて悲しく、切なくなってくる。それがつらい。3月に、やはり初回限定版にHD DVDの付いた『エクスマキナ』出るけど、購入者のうちHD DVDが付いていることを喜ぶ、というかそれを実施にプレイヤーで再生するよと言う人は、どのくらいいるのだろうな。まぁ、『ベクシル』にしても『エクスマキナ』にしても、そもそものビデオ購入者自体がだいぶ少なそうな気がするけどさ。


 ところでその『エクスマキナ』も俺買うつもりなのだけど、そうすると一年前に買った『ラーゼフォン DVD-BOX』に付いて来たものとあわせてHD DVDが3枚手元に来ることになるわけだ。未来永劫、俺が見ることのないであろうビデオディスクが、3枚。1枚2枚くらいならともかく、こう、3枚となると、なんかすごい損をしている気分がしてきて、よろしくないな。かと言ってそのたった3枚のためにプレイヤーを買う気には、それこそプレイヤー1台5,000円なんて奇跡のようなバーゲン価格にでもならなきゃ、まず買おうとは思わないけども。んー。何年か前にアニメ雑誌を買ってUMDビデオが付いてきたときはPSPを持っている友人に上げたけど、次世代DVDプレイヤーを持ってる友人なんておらんし、そもそも付録ではなくれっきとしたセット内容品だから、それだけ誰かにあげるってこともありえない。すばらしい行き止まり。