どこで金を取るか取らないか

Gears OF War Zone : 有料か無料か - Epic と Microsoft の戦い
 まー、難しい問題よな。ユーザーの側としては、単純には無料の方が良いに決まってるわけなんだけども、しかしてコンテンツの製作は勿論のこと配信システムの構築・運営にも当然ながらお金がかかっているわけなので、どこかで取らなければいけない。ある部分を無料にすれば、その分だけ別の部分で埋め合わせがなされることになる。
 今回の場合で言えば、開発元のエピック・ゲームズは無料で良いと言っているわけだからコンテンツの製作については無料で良いじゃないかと言うことになるんだけども、それだってXbox Liveのサーバの使用・管理費は発生するだろうし、また、マイクロソフトがパブリッシャとなって外部のスタジオが作るタイトルは他にも沢山あって、何もエピックだけと組んでいるわけでもない。インタビューの前半でも触れているが、ここで「当然、無料です」と言う前例を作ってしまうと、他の開発元も追加コンテンツを無料にしなくちゃいけないということにもなりうる。それは、どうなのか。ま、そこをどうにか埋めるのがパブリッシャでありプラットフォームホルダーであるマイクロソフトだろうと言うことになるのだけども。
 人気タイトルだからこそ、より多くの人が利用できるよう無料で提供すべき。人気タイトルだからこそ、しっかりとお金の流れを作って、よりよいサポートをより長くユーザーに提供できる体制にすべき。恐らくどっちも正しいのだけども、残念ながらどっちか片方しか取ることはできなくて、なかなかに悩ましいところよの。


 個人的には、新マップに400〜600ポイント(600〜900円)程度を払うくらいなら別に苦ではないし、良いゲームを作った人はそういったやり方でさらに収益を伸ばす権利があり、是非やるべきだと思う。どんどん儲けて、その金とモチベーションを次のゲーム製作への糧に欲しい。だからと言って、何にでもいくらでも払うって事にはならないけどもね。その辺は、金銭的な余裕と、そのゲームへの熱意と、新コンテンツへの期待と、それぞれのバランスによって適宜判断と言うことで。
例えば、衣装一つで1000ポイント(1500円)とかはやっぱりさすがに自然と眉に皺が寄ってしまうわけだけど、ま、あれは共有型のデータじゃないから。オンライン用の対戦マップってのは、持っている人同士でないと実際のゲームプレイで使えないという大きな欠点を抱えていて、それ故にこう言った無料か否かと言うのが大きな議論になるのだけども、ブルマのあれは、オンラインと言ってもせいぜいビデオの披露くらいしかないゲームだから衣装にあの値段を付けられる。それこそ、好きな人が買えば良い・そうでない人は買わなければ良いというだけのことだから。あれを見て好きなだけ「追加コンテンツってばボッタくれちゃう」とか悲しい勘違いをするところが出ると思うけども、美味しい話はそこらへんの誰でも手に取れるようなところにぽいと転がっていたりしない。
 あと、あまり知られていないながら、無料で新衣装・新ミッションを追加したゲームも実は国産のXbox360タイトルにはあるんだけど、はっきり言ってあれは「そんなもの作る前に本編をもっと面白くしろバカヤロー」と思うだけで、嬉しくはなかった。無料なら喜ばれると思ったら大間違い。メーカー様は是非、「これになら、さらに金を出してもよい」と思わせるための努力をまずしてくださいね。