日記

 ネットに繋がらない間は専ら読書で暇つぶし。いいわー。読書いいわー。幸せ。これに比べたらゲームとかネットなんてクソ喰らえだね、と割と本気で思った。
 ところでネットに繋がらない間も実は日記をつけていた。というかそもそもブログ始める以前はそうやって日記をつけていたのでそれに戻しただけなんだけども(いずれ自分が読み返すために書く、と言う基本的な目的はそのときから変わっていないし)、これはなかなか良い体験だった。ネットで公開されることを前提として書くのと、完全に自分しか読みようがない状態で書くのとだと、なんか違うのよねやっぱり。どこが、と言われると困るんだけど。なんかいつもよりちょっと伸び伸びと書けたような気もする。


 とかなんとか言いつつ、せっかく書いた日記なので転載するわけだけどねー。



2006年11月8日 水曜日
 昨夜からインターネットへの接続が出来ないのでブログへの書き込みも叶わず、久しぶりにオフラインでの日記執筆。気分を変えてみようと他のテキストエディタで書き始めたのだが、しっくり来ずに結局Word。やはり、見栄をはって無理に流行に乗らず、程ほどに慣れたものを分かっている範囲で使うのが一番というものですな。


 さてそのネット接続だが、モデムやルータの電源を入れなおしてみたが一向に繋がらず、同じケーブルを使ってのXbox360、そして別のケーブルを使っての父親のノートパソコンの接続も出来ないので、コンピュータのことはさっぱりだが、おそらくモデムが原因なのだろう。モデムはレンタル品で説明書なぞ今ではどこへ行ったのやら分からず正面部に見えるインジケータの意味もさっぱりだが、なにやらチカチカと速い点滅を繰り返しているものがあり、それが正常な動作を表すとも思えないので、やはり異常なのだろう。しかしそうなると次に待ち受けているのは、故障したレンタル品の返送やら交換品の到着を待つやらの面倒事なのは明白なもんだから、しなきゃならないと分かっていても、プロバイダのサポートに電話する気になれない。そうでなくても今週は面倒な用事を押し付けられて鬱陶しいのに、まぁ嫌なことは続くもんだ。そう言えば、今週はなんか毎日のように大なり小なり嫌なことが降り積もって来ている気がする。

2006年11月9日 木曜日
 どうにもネット中毒の嫌いがあるなとは自覚していたのでこのまましばらくネット環境がなくいても良いかなと思ったが、はやければ今月末くらいからはレポートの準備をしなきゃ行けなくなるかもしれないことを考えると対応が手間取るのは更なる面倒でしかないので結局プロバイダのサポートへ電話。担当者の指示であれやこれやケーブルの抜き差しをした結果、やっぱりモデム本体に問題がありそうだということで、2〜3日後に交換品が来ることに。それで無事解決となるかどうかは分からないけど、とりあえずそれ待ちか。それまでネットのない生活を楽しむとしよう。


『亜智一郎の恐慌』泡坂妻夫 / 創元推理文庫 一昨日読了
 シリーズ最新刊。と言っても時代は江戸末期、主人公は愛一郎の先祖(と思しき)智一郎。愛一郎シリーズより十年近く後になって書かれたものとあって、少し作品の雰囲気が違う感じもあり、ちょっと期待はずれだったかなぁ。


『幻獣ムベンベを追え』高野秀行 / 集英社文庫 昨日読了
 もっと若々しい熱さと夢に溢れた冒険記かと思ったけど、そうでもなかった。勢いだけでどうにかなる探検ではないのだから当たり前なのだし、それでも行動力は実際すさまじいものがあったらばこその話だけど、期待していたのと違うなぁと言うガッカリは否めず。残念。


天地無用!GXP 2 真・天地無用!魎皇鬼外伝』梶島正樹 / 富士見ファンタジア文庫 本日読了
天地無用!GXP 3 真・天地無用!魎皇鬼外伝』梶島正樹 / 富士見ファンタジア文庫 本日読了
 文字が大きいとは言え、一日に2冊も読みきってしまうのって『スレイヤーズ』の本編シリーズを買い漁っていた小学6年〜中学1年あたり以来……というわけでもないか。でも、かなり珍しい。マンガチックな挿絵があるので電車や大学で読むわけにはいかず家で読んでいるから、っていうのが大きいのだけども。
 第一巻で名を連ねていた脚本家の白根秀樹氏が外れ、文章・絵ともに梶島正樹氏だけの執筆に。ライトノベルどころか話が連続しているシリーズモノを読むことが久しいので、前巻のキャラクタがひょこっと再登場するたびに「誰だったっけ?」となって困る。そうでなくても、OVAの『天地無用!魎皇鬼』に始まり、梶島氏の同人誌など多くのメディアで長いこと展開されている世界のため、いろいろと「知っている」ことが前提となるような描写が多く、また放送済みのテレビアニメ版を元にした増補という形なのでその巻の中ではまだ処理されないような「振り」も平気で入れてあって、もう非常に読みづらい。いちいち情報が多すぎたり、無さすぎたり。次が出るまで一年かかるのなら、一巻ごとで普通に読める体裁にして欲しいところだ。
 それにしても、挟まっているイラストにやたら露出シーンが多いな。

2006年11月10日 金曜日
 生命保険の掛け金がどうのと母親に言われて、面倒に思いながらも近所の小さな医院に健康診断へ。健康診断なんて学校の定期診断以外に受けたことがないし、そもそも医者に行くこと自体がかなり久しぶり(小学生のとき以来かな。もっと言うと、親に予約してもらった歯科医院以外で医者に一人で行ったのは今日が初めて)なのでえらい緊張したのだが、検査自体はものの数分、最初の受付から数えても30分とかからず終わって拍子抜け。大学の診断より短かった。
 この時点でもまだ10時前だったので、ベンチに座って20分ほど本を読んで時間をつぶしてから散歩ついでに本屋を周り、本を三冊購入。今月は本買いすぎだとは分かっているのだが、今はとにかく読書が楽しすぎて止められない。嗚呼。ゲームの趣味をやめればもっとつぎ込めるんだろうけどね。ゲームが1本6000円、文庫が1冊700円として、ゲームソフト1本買うのをやめれば本が8冊も買える。すごい。いや意外と少ない気もする。海外モノの翻訳だと、それほど厚くもない文庫1冊で800円とかするのも結構あるしなぁ。


『月光ゲーム』有栖川有栖 / 創元推理文庫 本日購入
『殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)』池波正太郎 / 講談社文庫 本日購入
『ダリの繭』有栖川有栖 / 角川文庫 本日購入


『競作 五十円玉二十枚の謎』若竹七海 ほか / 創元推理文庫 本日読了
 読み始めたのは今年のいつ頃だったか。いや今年だったかも定かではない。何故そうしたのだったかも忘れたが、途中で読むのを止めてずうっと放ってあったのだが、幸いにも栞代わりの紙片が挟まったままだったので、手にとって読み始めた。しかし、なぜ途中で読むのを止めたのかも謎だが、何故これを家で読んでいたのかも謎だな。普通なら文庫本は暇つぶしとして電車の中とかで読むのだけども、ちゃんとした栞が挟まっていなかったあたりからするにどうやら文庫は家で読んでいたようで……。挿絵とかある場合には恥ずかしいので外で読まなかったりするけど、そうでもなし。謎の多い本だ。
 面白かったのは、プロ作家による回答よりも、一般読者からの公募作品だった。いや作品としての普通の面白さなら無論プロに軍配が上がるのだけども、「所詮は素人の書いたものだから」という若干見下した感じの先入観からか、公募作の方が読んでいてニヤニヤするところが多くて楽しい。作家を本名で登場させて美人だなんだといちいち持ち上げていたり、逆にちょっとわざとらしく貶し気味にしていたり(この辺の内輪ネタの多さについては、最初に問題篇とともに提示されたプロ作家2名の作例がどちらもそういった内容だったがゆえに「作家の内輪ネタにすりゃいいのか」と思われてしまったようだ、と反省点の一つとして挙げられている)、なにかにつけた知識披露で矮小なペダンチック精神が丸見えだったりと、もう楽しすぎる。勿論、もし自分が書いたとしたら、それらにも到底及ばないような文章もどきにしかならないのだろうけど、でも一読者として読む限りにおいてはそんなようなことを考える責任も義理もへったくれもないわけなので、もうただただ可笑しい。巻末の応募者の紹介と照らし合わせてみると、なるほど、やはり画廊のお話を書いたのは画廊オーナーだし、検事を主人公にした話を書いたのは弁護士さんらしいのだが、どちらも「自分のよく知っている世界」を持ち出したがゆえの語りすぎの落とし穴に見事すっぽりとはまっている。絵画のことをさっぱり知らないという設定のはずの女子大生がいきなりダリとピカソのご解説を一人称の地の文で始めるわ、なにかにつけて自らの誇らしき法意識を持ち出して警察の堕落した法意識を嘆いて見せるわと、「やっちゃいましたね」感もひとしおだ。その二人とも後にプロの作家になったようだが、その正式デビュー後の作品を読んでみたいような読みたくないような。


『山伏地蔵坊の放浪』有栖川有栖 / 創元推理文庫 本日読了
 有栖川有栖氏の作品は、今のところ作家アリスの短編と長編を1本ずつと、学生アリスの短編を1本読んだことがあるだけなのだが、どれも中々面白かった。のでこれも期待していたのだけども、正直に言ってこれは「はずれ」ということで。


 以下、日記中に出てきたもの。

亜智一郎の恐慌 (創元推理文庫)

亜智一郎の恐慌 (創元推理文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

月光ゲーム―Yの悲劇'88 (創元推理文庫)

月光ゲーム―Yの悲劇'88 (創元推理文庫)

新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫)

新装版・殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一) (講談社文庫)

ダリの繭 (角川文庫)

ダリの繭 (角川文庫)

競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)

競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)

山伏地蔵坊の放浪 (創元推理文庫)

山伏地蔵坊の放浪 (創元推理文庫)