綱引きわっしょい

株式会社カプコン : カプコンの新作タイトル Xbox 360™ 『デッドライジング』が早くも北米で50万本突破!
 よく考えたら綱引きは「わっしょい」じゃなくて「おーえす」だったけど気にしない。綱引きなんて小学校以来やってないよ!
 北米版が日本でも大人気!な『デッドライジング』(リンク先は日本版)ですけども、北米でも売れているらしい。いや、北米マーケットの売れ方っての知らないので「発売から2週間で50万本」があちらの基準で多いんだか少ないんだかは知りませんけども(だいたいこの50万は販売本数じゃなくて出荷本数ですし)、とりあえず悪い数字ではないでしょう。
 ところで、カプコンさんはこんなプレリリース出す前に、とっとと公式サイトのゲーム情報ページXbox360カテゴリを作りやがってください。

取り込み

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 そんな「『デッドライジング』が好調だよ」って話が出てきた途端、釣られて(?)いろいろ噂も出てきたのが面白い。Windows版がすぐリリースされるとか(勿論そのあとに「だからXbox360なんて買う必要はない!」という煽りが付くわけですが)、同じくカプコンXbox360オンリーと発表している『ロストプラネット』がプレイステーション3とのマルチプラットフォームになるとか、Xbox360プレイステーション3でのマルチプラットフォームで発表されている『バイオハザード5』をプレイステーション3オンリーにするようソニーが要請しているとか、『デッドライジング2』をプレイステーション3オンリーで開発するようこれまたソニーが要請しているとか。ちなみに『デッドライジング』は家庭用ゲーム機では完全にXbox360オンリーソフト。雑誌のインタビューなどで独占のように言っておきながら後でしれっと他機種版を出すというのがたまにありますけども、この場合はパッケージにもしっかり印刷されたONLY ON XBOX360で、これはマイクロソフトとの契約によって付けられるもののため違反は出来ないと言われています。末尾の数字を増やしておけば別物として出せますがー。
 『デッドライジング』のWindows版や、『ロストプラネット』のマルチ化に関しては頷けるところ。元々カプコンは家庭用ゲーム機でリリースしたソフトをWindows用に(日本のメーカーとしては)よく移植してますし、これは売れそうだと判断されたソフトがオンリーから複数ハード対応に変更されるのは不思議ではない。『ロストプラネット』はE3のときにXbox Liveで配信したデモも好評でした。カプコンは特に経営の危なさがよく言われる企業ですから、この好機を逃す手はない。
 ただ、『バイオハザード5』や『デッドライジング2』の噂のような、売れそうなソフトをわざわざオンリーに変更するってのはないですよね、素直に考えれば。仮に本当にソニーが要請しているとすれば、当然それに対して何らかの見返りも提示はしているはずなので難しいところですけど(誰が言い出したのかは知りませんが、こんなこともございましたな)、少なくとも、既に50万人近いユーザーを獲得した『デッドライジング』の続編を別機種オンリーにするのはかなり乱暴と言えます。

証言

GAMESPOT : Takeuchi: 360-exclusive Lost Planet due in January
 そんな中、GAMESPOTが『ロストプラネット』のプロデューサー竹内潤氏にインタビュー。マルチ化の噂についても触れらています。一応現状では竹内氏も「Lost Planet is an exclusive Xbox 360 title.(ロストプラネットXbox360独占タイトルです)」と答えてはいますが、あくまで「ソフト開発は一つのプラットフォームに照準を合わせて行われる」という現場レベルでの認識であることも強調しているように読めなくもない。いや、英語さっぱりなので怪しいんですが。ていうか実際、『バイオハザード4』は上から一方的に「プレイステーション2版も出すから」と言われてリリースに至ったという噂もあるので、そう信用できる話ではないでしょう。ま、プロデューサーもあくまでカプコンの一社員でしかないので、正式に変更が発表されない限りは今までの発表に沿った回答しかしないのは当然ですね。個人的には、期待度の高いタイトルならマルチ化してより多くの人が遊べるようにするのは悪くない変更だと思います。プラットフォームホルダーとの馴れ合ったお付き合いではなく、ソフトメーカーは自身のブランドを上げてることに努力して欲しい。Xbox360ユーザーとしてはただでさえ少ない売りがまた一つ減るわけで、だいぶ寂しいわけですが。プレイステーション3オンリーで発表されているタイトルには、そういった噂もなしですからね(『デビル・メイ・クライ4』は以前マルチ化の噂が流れましたけど、今はもうそんなこと話されていません)。

変更

Ubisoft : Ubisoft Announces Assassin's Creed™ for Xbox 360™(一度投稿した後追加)
『Assassin's Creed』Official Site : NEWS ; Assassin's Creed also on Xbox360(リンク先はUK版のサイトですが、US版サイトでも同様の発表がされています)

For all Xbox 360 gamers out there, we have some great news! Assassin's Creed on Xbox 360 has been confirmed for release in erarly 2007 - the same time as the Playstation 3 version.

XBOXYDE : Assassin's Creed ; Xbox 360 images
 期待のソフトがオンリーからマルチ化、という実例がなんともいいタイミングで。UBI Softの『Assassin's Creed』はこれまでプレイステーション3だけが発表されていましたが、Xbox360版も同時期に発売されることに。スクリーンショットも2枚出ています。公式サイトを見れば分かりますが、E3 2006で発表された同タイトルは「注目のPS3ソフト」として様々な賞を貰っている期待のタイトルです。
 性能はプレイステーション3の方が良いわけなので、それがマルチ化となると当然グラフィックスのクオリティがどうなるのかというのが問題になるわけですが、やはりというか何と言うか発表されたスクリーンショットプレイステーション3版のものと違うシーンを写しているので、単純な比較は出来ない。「違うようには見えない」とも「劣化してるじゃん」とも言える。UBI Softは、『スプリンターセル』シリーズや『GHOST RECON Advanced Warfighter』など、機種別(性能別)にかなり露骨に差をつけてでもマルチ化したりするので(ここここを参考にどうぞ)、そのあたりもなにか言及して欲しかったが……まぁ言及しないということはつまり、そういうことなのかな(リンク追加したプレスリリースには「『Assassin's Creed』はモントリオールスタジオで開発されているタイトルだ」と書いてはある)。自分としては、動きがカクカクとかならなきゃ別にいいです。
※なんか、一番最初はXbox360PS3のマルチとして2005年に発表されていたとかいう噂を聞いた。検索してみてもそういう情報は出てこないのだが(どうにせよ英語じゃろくに読めないんだけどもさ)、本当ならこれはまた面白い変遷ですな。

不安

 露骨に差をつけてマルチ化と言うとセガもですね。以前もPS2ゲームキューブXboxの三機種で発売した『ソニック ヒーローズ』で「PS2版だけ30fps」とかやってましたけど、PS3Xbox360で発売予定の『Power Smash 3』(日本ではPS3版のみ)は、PS3版が内製なのに対してXbox360版は外注で、ショーではわざわざ二つを隣同士で展示して違いを見せているそうです(どこで読んだ記事か忘れてしまったのでリンクできず)。勿論、プレイステーション3の方がすごいでしょ、と。UBI Softのマルチにはまだ「性能によるグラフィックスの表現能力の違い」「次世代機の実力測定と、販売促進」と言う理由も汲み取れましたけど、さすが年末商戦に2年連続でヤクザを題材にしたゲームを投入するメーカーはえげつなさも半端ありません。キャバクラも進化しているそうですPS3Xbox360で発売が予定されている『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(こちらは日本でも両機種版発売予定)もいろいろ不安です。PS3のローンチになるんじゃないかと言う噂ですし。

雑感

 オンリーソフトの取り合いに、わざとらしく差をつけたマルチプラットフォーム。生き残りのために必死なのは分かるし(必死になってくれないほうがよっぽど困る)、こういう突っつきあいは野次馬としては確かに面白いんだけど、まぁダシに使われ振り回されるユーザーとしてはあまりいい印象は持てないことも分かって欲しいなと思います。はい。ハードメーカー自身の出すゲームソフトはいいとして、面白いゲームがより多くの機種で遊べるようになってくればユーザーは皆幸せになれるってもんです。