蜘蛛男の恐怖

 2作目と共にやたらとベタ誉めされるもんだから、天邪鬼な心が頭をもたげてスルーしてきたわけだけども、DVDがキャンペーンでお得だったので購入してみた次第。安い天邪鬼だわな。
 よく言われる「ヒロインが不細工」というのは別に気にならなかった。確かに、やたらと男を乗り換える性格の軽さはなんだかなぁという感じで、なんで主人公はこんなやつにここまでご執心なのかと首を傾げたくなることは否定しないが、見た目としてはさして悪くも無い。とても良いというもんでもないが。


 一つ、どうしても引っかかったことがあって。あの、ピーターが初めて壁を登るところで、彼の指から蜘蛛の毛が生えてくるシーン。何度見ても『蝿男の恐怖 [DVD]』もしくは『ザ・フライ <特別編> [DVD]』的な展開が頭をよぎってしまって、何故ピーターが「すごい力を手に入れたぜー」と無邪気に大はしゃぎできるのか、さっぱり分からん。蜘蛛だぞ。そうそう良いイメージのある生き物じゃない。自分の指からあんな毛が生えるところを見たら「もしかして俺、このまま蜘蛛人間に、モンスターになっちゃうの?」と震えるんではないのか。いや、そんなことしたら話が全然違う方向に飛んでいってしまうのはわかるけど、でもそうなると今度は、何故あの毛が生えるシーンをわざわざ映像にして客に見せているのかが分からん。どう見たってあの映像にはグロテスクさしかないと思うんだが。んー。