映画としての出来に関しては全く持って期待してなかったんだが、原作小説を果たしてどう料理したのかが気になって結局買ってしまった。うーむ。あれだな。ゲームをやれない(ここ最近どうも精神的に乗れない)フラストレーションを、DVDで解消しているのだろうかね。思い返せば、去年のこの時期はゲームソフトを買いあさっていたわけだが、今年はそれがDVDソフトに変わっただけか。ふむ。きっとこの季節はそういう時期なのだろう、自分にとって。なぜか知らんが。
 で、映画の出来の方だが、当初の期待がどん底だったこともあってか、意外と楽しめた。事故のくだりなんかは、メインの話とは関係なく特に突っ込んでもいないが、主人公のロボット嫌いの理由付けにあの問題(緊急時に助ける人間の優先順位は、如何にして決められるべきか)を持ち出してるのがなかなか良かった。ただ、最後のオチがな。「人間はダメな生き物で、ロボットが厳重に管理してこそ生きられる」ていうのは、話が一気に陳腐化してガクリ。なんだそれ。
 だいたい、アシモフのロボットモノである以上は三原則には厳密に従うべきで、あっさりと例外の存在を作るのはどんなもんだろ。いや、アシモフの小説でも三原則の縛りが緩められたロボットとか出てきたけど、あれは数ある短編小説のうちの一つだから許されるバリエーションなのであって、初めから枠外のものを持ち出してしまうならアシモフの名は要らんよな。単にロボットの反乱モノでいい。結局、ロボットと人間の戦争を描いた『マトリックス』の大ヒット以後ロボットモノが作りづらくなったことで、そこに対して言い訳になる看板が欲しかっただけなんでねーのかい。