来た
直木賞受賞と言うことで心配されていたものの、講義開始10分後に陣野氏と共に入室。
つーわけで、前回に倣って再び。記憶違いもあるので、信用はしないように。行頭に名前のないのは角田氏の発言。敬称略。
- 陣野「実は俺も海燕に応募してた。これでダメなら最後にしようって」
- 陣野「で、角田さんの写真が載ったページの下の方に、小さく俺の名前も載ってた」
- 陣野「だから俺の中での角田さんの第一印象は、文芸誌に写真の載るすごい人」
- 「賞って言うのは、同級生の知らない男の子からの電話と同じ」
- 「理解できない」
- 「はっきり『好き』と言ってくれればリアクションできるけど、そうじゃない」
- 「思わせぶりに適当な会話だけして、切られちゃう。あとはこちらの頭の中だけで期待と妄想が膨らんでいく」
- 「ある日、町で他の女と歩いてるのを見かける。で、『え、私は?!』、と」
- 「つまり、すべて一方的」
- 「しかも、落選したらしたで貶される」
- 「一方的に選ばれて、一方的に落とされて、一方的に貶される」
- 「疲れる」
- 「デビュー時は見えるものだけを書くようにしていた。小さく見えるものは小さいまま」
- 「キャンパスに向かって水彩画を描くようなもの」
- 「30になってそのキャンパスがいっぱいになった」
- 「仕事が来なくなった」
- 「見えていないものも見えている振りをして書くことにした」
- 「終わりを書かなくていいのが純文学」
- 「終わりまで書かなきゃいけないのがエンターテイメント」
- 「銀行で百万円下ろして、それを持って家に帰るとする」
- 「タバコ屋のある曲がり角での一瞬の心の迷いを抜き出せば、純文学になる」
- 「エンターテイメントは常に人物を追っていって、最後に家に着くか、もしくは着かないというところまで書かなきゃいけない」
- 「自分がデビューしたときは、若い女はすべて『バカ・無知・クソ』で一括りにされた」
- 「今は若い女の人が小説を書いていても温かく迎えてもらえる。いい時代」
- 「若さを根拠に評価すべきじゃない」
- 「でも、年齢によってやっぱり書ける内容は違う。20代は40代の半分しか生きてないから」
- 「20歳なら20歳なりに書く。40歳の振りはしなくていい」
- 「新人賞の応募は、まず各賞の傾向調べから」
- 「光るものさえあればどこに応募してもその原石を見つけてもらえる、なんてことは絶対にない」
- 「文藝は応募者が多いのでやめた方がいい」
- 「やわらかい話が書けるなら、すばる」
- 「二年前に陣野さんの講義に呼ばれたとき、陣野さんは生徒たちに自分自身に合った賞を探させていた」
- 「あれはすごいいいと思った」
- 陣野「こんなに嬉しかったことないね」
- 「若いうちはとにかく書く」
- 「書くたびに身が削られるよう、なんてことは若いうちはない。書けば書くほどいい」
- 「いろんな人に見せる。相性があるので、一人に批判されても他の人にも見せてみる」
- 「作品を読み漁るうちに、書くものが似てくるのは悪いことではない。そうなる」
- 「誰を真似てもいい。極めればそれも芸になる」
- 「ただし村上春樹はダメ。氾濫してて、鼻につく」
- 「毒舌批評が流行してた頃にデビューしたので、最初はつらかった」
- 「でもそこを乗り越えたら、一歩ひいて見られるようになった」
- 「作品を読めた上で書く人、読めずに書く人、自分を出すために書く人、作品に沿って書く人がいる」
- 「作品を読めて書く人と作品に沿って書く人の評は、作家としても糧になる」
- 「じゃがたらなんて限られた世代の一部の人しか知らないバンド」
- 「そのバンドについて書いた本を出しても売れるわけがない」
- 「でも、こんな分厚い本を出した」
- 「だから陣野さんは信用できるな、と」
- 陣野「もう泣きそう」
- 陣野「でもこれは訂正しておきたいんだけど、あの本、俺の本で唯一売れた」
- 陣野「去年末くらいに、全部在庫がはけた。発売から4年」
うーん、前回以上に記憶が判然としない。まぁいいか。くれぐれも信用しないでね。