スカしたゲームはもういらなーい

デジタル ARENA : キーマンが語るゲームの今! 進化するゲーム・ビジネス その6

 「ゲーム離れ」も同じです。例えば、「『FF』のストーリー展開を知りたいが、エンディングまで長時間やるのは厳しいな」と思っているユーザーに対して、場面をスキップしてストーリーがわかる、“やりこみ要素”のない廉価版をネットでリリースすればいいわけです。

 あの社長のことだしどうせまた八方美人で日和ったつまんねーことしか言ってないんだろうな、と思ってスルーしてたインタビュー記事だけど、すごいこと言ってた。去年だか『ファイナルファンタジー7 アドベント・チルドレン』見て思ったのは、まさにこれだった。『ファイナルファンタジー』に限らず「もうゲームじゃなくて映画にしちゃえば良いじゃん」て皮肉混じりで言われるのって結構あるけど、皮肉抜きで実際そうしたほうが良いと思うんだよな。だって話を知りたい、ムービーが見たいってユーザーからしたら、ゲーム部分なんてただのかったるい作業だもん。「クリアまで○○時間の大ボリューム!」なんてのも、やる気失せるだけ。
 正直、なんでいまだにムービーをせっせと詰め込んでるゲーム屋がとっととアニメ屋に転身しないのか不思議でならない。転身とは言わずとも、アニメとゲーム両方作ったっていいはず。実際ゲーム1本の中に何時間もムービー入ってたりするんだし。ゲームじゃないところに力入れまくってるくせに、映画を目指すんだとか言っちゃうくせに、なんだってゲームであることに固執するのかが分からんよ。じゃあ最初からアニメを、映画を作れば良いんじゃないのか。専用機がなければ動かないゲームと違って、基本的に一世代一規格で浸透しているビデオなら潜在的な消費者もずっと多い。そんなにお山の外に出て行くのが怖いのかね、この業界の大将さんたちは。それとも何か複雑な利権が絡んでて、なかなか余所の業界にまで手を出せないのか。
 いやさ、実際のとこ、『ファイナルファンタジー13』とか『メタルギアソリッド4』とか、あれのためにプレイステーション3を買おうだなんて微塵も思わないけど(既に持ってるXbox360でなら興味はある。出るはずないけどね)、もしOVAとしてDVDで出るなら間違いなく自分は買うよ。見たいもん。DVDのプレイヤーならとっくに家にあるから安く済むし、ビデオなら2〜3時間テレビの前に座ってるだけで楽しむのもラクチン。最高ですよ。ついでに次世代DVD版をブルーレイオンリーで出せば、メーカーさんもソニーに顔向けできるっしょ。安価なBDプレイヤーとしてプレイステーション3の需要も後押しできちゃう。


 とかなんとか勝手な妄想を言ったところで。最初からOVAとか映画として作るならともかく、同じ内容でゲームとOVAを一緒に作るってのは無理があるよな。ゲームプレイの部分を省いてもひとつの映像作品になっちゃうなら、それどんなゲームだよって話で。ゲームをオリジナルとして相応にしょぼいダイジェストにしただけのものじゃ、いくら安くしたってどれだけの人が買いたいと思うかどうか。どんなもんだろ。