秋葉系が良いらしい

 こないだ大学からの帰り、大江戸線のあの長い長いエスカレーターに乗って降りていたら、うしろの女性が携帯電話でおしゃべりをしていた。
「いま秋葉系が良いらしいよ。……うん。秋葉系。雑誌に書いてあった。……そう、秋葉系が良いみたい、最近。……そうそう。でも、そうだよねぇ。秋葉系なんだよねぇ。……でも狙い目らしいよ、今。……そう、だけど流行ってるみたい」
 『電車男』以来そういった発言がないでもなかったが、だいたいはオタク発の冗談半分のものだったわけで、全く別の層でまでそんな話が出ているのかと驚いた次第である。
 まぁ、言葉の端々に現れる逆接の表現が、その女性と話し相手が持つオタクに対する本来的なイメージがどんなもんであるかを如実に物語ってもいるわけであるが、なかなかに楽しく聞き耳を立てていたことを白状しておきたい。

追記

 投稿した記事を見て、「秋葉系ってキーワードになってないのかぁ」と意外に思ったのであるが、何気なく電車男のキーワード説明を見たらアキバ系という語でキーワードが張られていて、ああ、そちらの表記が一般的なのかと、またひとつ賢くなったような気になってみた。
 ただ、アキバ系のキーワード説明で「秋葉原を聖地と仰ぎ」としながら「『オタク』とほぼ同じ」ともあるのは納得がいかない。「あなたはオタクか?」と聞かれれば「はい、ゲームオタクです」と答えるが、「アキバ系か?」となると少し話が違う。理由は簡単で、特に好んで秋葉原に行くことはしないし、聖地だとも思っていないからだ。とはいえ、アキバという言葉が地名から来ているからといって、必ずしもその土地への思いがなければいけないという決まりもなく、秋葉原を特別視するオタクは少なくないという点も勘案すれば、同じ意味だと決められればそれで納得するしかないのかもしれない。と思いつつ、やっぱり、秋葉原に行かないのにアキバ系にくくられるのは、なんだか自分が尊重されていないようで少し不満である。だからなんだ、という話だが。