げーまー的ダッシュ : ここまで、機種違いによる移植の差は、久しぶりだ

 PS2版『RED・DEAD・REVOLVER』とXbox版『RED・DEAD・REVOLVER』の比較記事。掲載されている画面写真では、正直あまり違いが分からないが……。
 複数機種同時発売のソフトがファミ通のレビューでおかしな点数を付けられるのは、もう恒例ですね。まぁ、メジャーハードの方が出来が悪いなんて、書けるわけもありません。過去には、明らかに出来の悪いほうに高い点数がついていたこともあったようですがー。メーカーと良い関係を築くためには政治的配慮もしなければならないことは小学生でもなきゃ分かることですが、理解しているからといって許容までしなきゃいけない理由はどこにもないので、こうやってメディアは着実に信用を失っていくのですね。


 それにしてもまぁ、マルチプラットフォームのソフトというのは、普通であれば最も性能が低いものに合わせて作られ、高性能機では「なんとなくグラフィックは良くなっているような感じで、ただロード時間だけは確かに早い」という、気にしなければどうと言うこともない程度の恩恵になるものなのですが、まさか再生フレーム数まで違うとは。しかもフレームレートが高いほうを公式サイトでのデモムービーに使っていたというのは、ちょっとメーカーさんズルかないかという感じもします。そういえば『ソニックヒーローズ』もPS2版だけフレームレートが低いと話題になってたことがあったような。
 最も性能が高いのが最も売り上げの大きいメジャーハードであるならばともかく、そういうわけでもない高性能マイナーハードのためだけに改良の手間を割く暇があれば、その余裕は全体を作ることにまわしたほうが得策です。また、同じゲームであるのに自分の持っていないハードのものの方が出来が良いとなれば、それを理由に購入意欲を失くすユーザも出てきます。出来が悪い方がメジャーハードのものであるならその影響も大きく、メーカーとしては是非とも避けたい事態。と、なるわけなんですが。普通は。うぅむ。
 まぁ、複数のハードを持っているユーザーからすると、性能に合わせて仕様を変えてくれるなら、とりあえず最も性能の高いハードの対応ソフトを買っておけば間違いはないということになるので、非常に楽ですけどね。逆に、エレクトロニック・アーツのように性能の低いメジャーハードの方が収録要素が多く、性能の高いマイナーハードでは削られていたりすると、どちらを買ったものかうんうん悩まされたり。



 ちょっとした例外もあります。『トム・クランシーシリーズ スプリンターセル SPLINTER CELL』と『トム・クランシーシリーズ SPLINTER CELL (Playstation2)』はこのように(参考:XNEWSさん)両機種で全く違う仕様になっているわけですが、これは、そもそもこのゲームのオリジナルがXbox版で、PS2版はそのXbox版を元にハードの性能の差を考慮して作り直されたものであるからです。これは、違って当然。プレイステーション2のソフトをそのままサターンに移植は出来ないのと同じ理屈です。
 ちなみに、じゃあなんではじめからPS2版がオリジナルじゃないかとなると、これは単に、このゲームの求める表現力がPS2にはなかったからでしょう。日本語版は両機種とも持ってますが、やってみるとよく分かります。暗闇に潜むゲームですので暗闇の表現がとても重要な要素にもなるのですが、この点で両機種には明らかな差があります。先にリンクしたXNEWSさんのところにもスクリーンショットが並べられていますが、実感としては、あの分かりやすいシーンでの比較で見るよりもずっと差は大きいです。Xbox版は確かに暗闇が作れているのに対し、PS2版はただ背景が黒っぽいだけなのです。他にも、PS2ではリアルタイムで明滅の処理ができないために、プレイヤー自身の判断で電灯を破壊して暗闇を作るといったアクションにも大きな制限が加わりますし、そのためにゲームの進め方にも違いが生まれます。まぁ、PS2版もそれはそれで十二分に楽しんで遊べるソフトですし、そういった違いも考慮してXbox版にない追加要素もありますが、これはどちらか選ぶとなれば間違いなくXbox版でしょう。是非買うように。という宣伝がしたいがためにわざわざこのソフトの話を持ち出したのは内緒です。